韓国で4月に発生した客船セウォル号の沈没事故で、同船を運行していた清海鎮海運の実質的オーナーである兪炳彦(ユ・ビョンオン)容疑者(72)=指名手配中=が先週、韓国内の外国大使館に匿名の人物を通じて政治亡命の申請をしたが、拒否されていたことが明らかになった。韓国検察が3日明らかにした。
韓国の聯合(れんごう)ニュースによると、ユ容疑者の亡命申請を受けた外国大使館は、ユ容疑者が一般の刑事犯だということで申請を拒否したという。打診先の国名は明かされていない。
ユ容疑者は現在、横領や脱税、背任の容疑で指名手配されている。ユ容疑者自身は清海鎮海運の経営に直接関わっていないが、ユ容疑者の子どもや側近が持株会社を通じて清海鎮海運を運営していた。
一方、ユ容疑者は、キリスト教系の異端とされる救援派(クオンパ=キリスト教福音浸礼会)の「教主」で、韓国のプロテスタント有力教団が加盟する韓国基督教総連合会(CCK)は、「救援派が決してキリスト教ではなく、キリスト教と詐称した疑似集団であることを明言します」とする声明を発表。事件の徹底解明とユ容疑者に対する厳しい処罰を求めている。