韓国基督教長老会総会は15日、「右傾化している日本社会と『積極的平和主義』という名の下で、平和憲法を解釈変更し、それを通じて集団的自衛権を正当化している」ことが「東北アジアの平和を威嚇している」として、「これらに対して深刻なおそれを強く表明」する書簡と、「集団的自衛権の正当化を即刻中断し、平和憲法を維持」するよう要求する声明文を、安倍首相と別所浩郎駐韓日本大使に送付した。
全文の日本語公式訳は以下の通り。
受信:日本総理 安倍晋三様
参照:駐韓日本大使 別所浩郎様主イエス・キリストの福音によってわたしたちを正義と生命とに導かれる神様の平和が日本と総理の上にありますようお祈り致します。
わたしたちは、この地の上に神様の平和を成し遂げるのが我々の使命であることを告白し、また持続的に努力してきた韓国キリスト教長老会は、韓日両国の間においてある葛藤を和解に変え、反目と競争の情緒を友好と協力の情緒に変え、そして平和の道へ進むことを望み、東北アジアの平和と繁栄の為に韓日両国の努力が実るよう切実に願います。
我々韓国キリスト教長老会は「ひたすら正義を洪水のように恵みの業を大河のように尽きることなく流れさせよ」(旧約聖書アモス書5:24)という神様のみ言葉を宣教的課題として受取り、そして「キリストはわたしたちの平和であって、二つのものを一つにし、御自分の肉において敵意という隔ての壁を取り壊して」(新約聖書エペソ2:14)というみ言葉を神様の命令として受け入れ、いまわたしたちは心を尽し、魂を尽し、力を尽して祈っているのであります。
というのは、最近、益々と右傾化している日本社会と「積極的平和主義」という名の下で、平和憲法を解釈変更しそれを通じて集団的自衛権を正当化しているからであります。これはまたもや東北アジアの平和を威嚇していることであります。ここでわたしたちはこれらに対して深刻なおそれを強く表明し、日本国の安倍総理と日本政府とに向けてわたしたちの立場を明確に、そして強力に要求致します。
添付:声明書 ー 安倍政府は集団的自衛権の正当化を即時に中断し、平和憲法を維持するよう求めます。
2014年5月15日
韓国キリスト教長老会総会
総会長 朴東一
総会平和統一委員長 韓基陽
総会総務 裴泰辰声明書
安倍政府は集団的自衛権の正当化を即刻中断し、平和憲法を維持するよう求めます。
「イエスはいわれた。もしこの日に、お前も平和への道をわきまえていたなら・・・。しかし、いまはそれがお前には見えない。」(ルカによる福音書19章42節)
わたしたち、韓国キリスト教長老会総会は、神様が平和の主でおられることを信仰として告白し、すべての地上にも神様の正義と平和とが満ちあふれることを切実に祈り努力して参りました。特に、この地に戦争が終り韓半島(朝鮮半島:以下、韓半島)平和協定が締結され韓半島を含むアジア全域に恒久的に平和が実現されるよう共に祈りの行進を行ってまいりました。
韓国キリスト教長老会総会は去年、幾度の声明と書簡を通じて日本の安倍政府が右傾化の歩行を中断し、国際社会との約束である平和憲法を守るよう求めました。ですが、依然として日本政府は「積極的平和主義」という名の下で集団的自衛権を正当化し、軍事力の保有を通じて軍事大国として成長しようとする試みを止めようとしておりません。この状況を受けて我々はもう一度深刻な憂慮を明らかにします。
日本の安倍政府が最近外交と安保政策の基本思想としている「積極的平和主義」は表面的に集団自衛権を通じて東北アジアと世界の安定及び平和に寄与すると主張しておりますが、実際としては平和憲法の解釈変更を通じて日本単独で戦争を起こせるという反平和的な国家戦略です。
これは必然的に東北アジアの軍備競争を触発し緊張を高め、常在している領土紛争が瞬時に武力衝突へと揮発し、高度の不安定状態が続いてしまうという結果にも繋がります。これは東北アジアの平和に対する根本的な威脅に結び付きます。
我々はまた、最近において日本政府が独島の領有権問題と共に歴史教育を歪曲し、「慰安婦問題」と「関東大虐殺問題」に対する国家責任を否定し、A級戦犯達が合祀された靖国神社に参拝を行うなど、日本帝国主義の下で行われた国家的犯罪に対する責任を否定する行いに深刻な遺憾を表明します。日本政府の国家主義政策は過去侵略戦争を通じて苦痛を受けてきたアジア国家の間に葛藤を高潮すると同時に、国家的にも戦時体制を拡散する結果を招きます。
安倍政府は、新約聖書のマタイによる福音書26章52節にて語っている「剣をとる者はみな、剣で滅びる」のみ言葉と同じく、軍事力保有を通じた平和主義は誠の平和を構築出来ず、軍国主義の最後は復興強国に繋がる道ではなく、全世界を火薬庫化させ、全てが共に滅亡する道であることを自覚しなければいけません。
これに対し我々韓国キリスト教長老会総会は日本の安倍政府が集団的自衛権を正当化しようとする積極的平和主義路線を即刻撤回し、平和憲法の改悪を中断して誠なる平和の道へと進むよう求め、下記のように我々の立場を明らかにします。
一、日本政府は帝国主義の下で行ってきた全ての国家的犯罪に対する過ちを認め、それに合った国家的責任を回避しないでください。
二、日本政府はアメリカの東アジア戦略変化に便乗して日本の集団的自衛権を正当化しようとする試みを直ちに止めるべきです。
三、日本政府は国際社会との約束である平和憲法を必ず遵守し、歪曲解釈及びこれに対する改悪の試みを止めるべきです。
我々韓国キリスト教長老会総会は神様が与えてくださった平和の使命を全うする心で再び日本の安倍政府が、東北アジアの中で責任のある一員として思慮深く判断をし、そして行動するよう求めます。また、集団的自衛権を正当化しようとする試みを直ちに止めて平和憲法をまもっていくように求めます。
我々韓国キリスト教長老会総会は、この地上の上に正義・平和・生命をなすために祈りをし実践していく信仰人として韓半島を取り組んでいる国際社会の理解関係を正義・平和・生命の立場に立って考え行動を行い、東北アジアにて「戦争のない平和」のある世の中が臨むその日まで平和憲法の守護と、その為の連帯を広範囲に繰り広げて行きます。
主の平和が韓日両国と東北アジア、そして全ての世界の上に成し遂げられていくことを切実にお祈り致します。
2014年5月15日
韓国キリスト教長老会総会
総会長 朴東一
総会平和統一委員長 韓基陽
総会総務 裴泰辰