仏教やキリスト者などからなる平和運動団体「宗教者九条の和」(東京都渋谷区)は、9日に参議院議員会館で行われた「集団的自衛権の行使に反対し、いのちと憲法9条を守ろう」宗教者共同アピール第1次集約集会の録画を、このほどユーチューブで公開した。
このアピールは、昨年11月1日に宮城泰年師(聖護院門跡門主)、松浦悟郎司教(日本カトリック正義と平和協議会会長=当時)、小橋孝一牧師(日本キリスト教協議会議長)が呼びかけ人代表となって発表されたもので、「かけがえのないいのちを尊び、いのちをいとおしむことを第一の使命とし、平和の世界を具現するために手を携えている私たち宗教者は、安倍首相の進める集団的自衛権の行使容認に反対し、いのちと9条を守ることを祈り求め、ここに共同のアピールといたします」などとしている。同団体は11月26日に衆議院第2議員会館で発足集会を開いた。
同団体はこのアピールに関して、「安倍首相は、積極的平和主義にもと、『集団的自衛権行使容認』の法制化を進めると国会で言及しております。これは、取りも直さず立憲主義を否定し、解釈改憲を進め、”改憲のクーデター”とも言うべきものです。憲法9条の危機に直面している今、いのちを守り、平和を祈る宗教者は、『集団的自衛権行使は戦争であり、殺し殺されることである』と再認識し、『戦争殺人反対、いのちを守ろう』と声を大にして、祈り行動してまいりましょう」と述べている。
この動画に収録されたこの集会は、「集団的自衛権の行使は戦争です」という副題の下で行われた。初めに「宗教者九条の和」事務担当の武田隆雄氏(日本山妙法寺僧侶)が経過報告を行い、このアピールについて3368人の署名が集まったことを明らかにした。また、松浦司教が主催者挨拶を述べ、市民団体「許すな!憲法改悪・市民連絡会」事務局の高田健氏による情勢報告の後、呼びかけ人や賛同人が挨拶し、日蓮宗僧侶の小野文珖師ら仏教の僧侶、日本カトリック正義と平和協議会事務局長の大倉一美神父や、国会議員などが発言した。そして「殺すなかれ」と祈り訴える宗教者の決意をうたう集会アピールを新たに採択するとともに、小橋氏が閉会の挨拶で憲法第9条の大切さを国内外に粘り強く訴えていきたいと述べた。
同団体は集会後、衆議院第2議員会館前路上で、約30分間の路上祈念集会を行った。