大田区「花子とアン」推進委員会は、展示「村岡花子が暮らしたまち 大森」を、ボランティア・文化活動の拠点「大田文化の森」(東京都大田区中央)1階展示スペースで開催している。展示期間は4月8日からNHK連続テレビ小説「花子とアン」の放送が終了する9月27日まで。
推進委員会の平林義彰委員長は、5月8日に大田区役所本庁舎で行われた本紙とのインタビューで、「村岡花子さんという方は、結婚されてから50年間、亡くなるまで大田区中央に住んでおられた。村岡花子さんのことを大田区だけでなく全国の方々に知っていただきたいということで、PRを進めていきたいと考えている」と語った。
また、このインタビューに同席していた大田区中央一丁目町会の岩井克文会長は、村岡花子さんに大きな影響を与えた片山廣子さんについて、「佐佐木信綱門下を代表する歌人でアイルランド文学の翻訳家。村岡花子さんは片山廣子さんを慕って大森に住み始めた。2人ともクリスチャン。そういう片山廣子さんなくして、大森の村岡花子さんはいなかった」と語った。
「村岡花子が暮らしたまち 大森」の展示内容は、花子さんに直接関するものでは、1)村岡花子とその時代(村岡花子さん関連資料の展示)、2)村岡花子と大森(写真パネル2枚)、3)馬込文士村—村岡花子と文士仲間。
展示品の中には、オノーレ・モロウ女史原作・村岡花子訳・高井貞二画『連載小説 神の栄光(14)』の花子さんによる自筆原稿も展示されている。推進委員会によると、これは他では見られないという。また、「原稿在中」と記された速達封筒で、花子さんが差出人のものもある。『神の栄光』は、1959年に角川書店から出版された。
さらに、「大森・山王 昭和ロマン」「ものづくりのまち大田区」「目でみる・味わう大田区」といった、この地域の特色が豊かな展示項目もある。
推進委員会の事務局である大田区国際都市・多文化共生推進課の文化担当係長を務める桑原恵美さんは、4月28日に大田文化の森で行われた本紙とのインタビューで、「大田区の観光や文化を一人でも多くの人に知っていただきたい」と語った。
大田区によると、3月31日には「花子とアン」の原案である『アンのゆりかご 村岡花子の生涯』(新潮文庫、2011年)の著者である村岡恵理さんの講演が大田文化の森のホールで行われた。今後の催し物については、大田区のウェブサイトなどで公表する予定だという。
問い合せ・詳細は、大田区観光・国際都市部 国際都市・多文化共生推進課まで。