世界教会協議会(WCC)は23日、宣教と伝道の神学と実践の今日的な傾向に対する実質的な関与や対応が、WCCの宣教専門誌『インターナショナル・レビュー・オブ・ミッション』(IRM)の最新号の特集に満載されていると伝えた。
WCCの世界宣教伝道委員会(CWME)幹事のジョソップ・ケウム牧師・博士の編集による同号には、2013年10月30日から11月8日まで、「いのちの神よ、私たちを正義と平和へと導いてください」を主題に韓国の釜山で開かれたWCC第10回総会から、25の重要な発題や報告が含まれているという。
同総会に参加した宣教学者のケネス・ロス氏によると、「釜山総会でおそらく最も記憶されるのは、それが教会の宣教に関する任務が中心的な位置を占めた総会だったということだろう」という。
CWMEは2012年、「共にいのちに向けて―変わりつつある地平における宣教と伝道」という確認文書を釜山総会に提出していた。この文書は、変わりつつある地平における宣教と伝道の新たな理解と実践のための展望や概念、方向性を求めるもので、いのちの神に導かれて、全ての人々のいのちが満たされるよう共に責務を負うことができるように、WCCの加盟教会や関連する宣教団体よりも幅広い対象に呼びかけたもの。
この確認文書においてカギとなる主題や確信に関する、同総会の「宣教に関する全体会議」からの体系的な発題に加えて、IRMのこの号は、例えば、東欧や北欧、ラテンアメリカ、南アジア、そして正教会やペンテコステ派・ローマカトリックの視点といった、多様な文化的・宗教的文脈からの反応に光を当てている。
同号の記事でとりあげられている重要な宣教学の概念や問題には、聖霊における宣教、新たな宣教の思考に関する聖書的・三位一体的および「聖餐」という柱、「辺境からの宣教」の実践的な導入、宣教に関するフェミニスト神学の考察、上述の新しい宣教の確認とリーダーシップの形成が含まれている。
釜山総会で開かれた21の「エキュメニカルな会話」と呼ばれる会議のうちの2つは、宣教と伝道において関心のある話題を中心とし、そのいずれも4つのセッションからなっていたが、それらに関する広範な説話の報告がこの号に提示されている。
同号にある特別な項目は、今日の伝道における問題や洞察、とりわけ伝道としての弟子訓練を探るものとなっており、またそれは最近のWCCや世界福音同盟、バチカン宗教間対話評議会の声明「多宗教世界におけるキリスト教の証し」に照らして、改宗や改宗主義に関する省察を行うものとなっている。