日本福音主義神学会は、11月4日から6日まで奈良県生駒市の関西聖書学院で、第14回全国神学研究会議を開催する。「福音主義神学、その行くべき方向―聖書信仰と福音主義神学の未来―」をテーマに、3日間にわたり研究発表や分科会を行う。
今回の研究会議では、3回の研究発表と3回の分科会がコアとなる。研究発表では、「福音主義神学における聖書釈義」と題して津村俊夫氏が、「福音主義神学における教理」と題して関野祐二氏が、「福音主義神学と歴史・実践」と題して、リチャード・ギャンブル氏(スチュアート・ラウアー氏、欧米)と藤本満氏(日本)が基調講演を行う。
一方、分科会は、1つ目は「争点発題講演」として、鎌野直人氏が釈義について、後藤喜良氏が教理について、藤原淳賀氏が歴史・実践について、それぞれの争点を発題。その後、2つ目の分科会は「争点パネルディスカッション」として、1つ目の分科会で提起された釈義、教理、歴史・実践それぞれにおける争点について、パネルディスカッションを行う。最後の3つ目の分科会は総括発表の場として、議論された3つの争点についての総括が発表される。
同研究会議の滝浦滋準備委員(書記)は、案内状で「今回の全国研究会議では、『福音主義神学』の定義の問題、『福音主義神学』というものが別の独立した神学としてありうるのか、という問いを正面から取り上げたい」と語っている。
滝浦氏は、福音主義神学のアイデンティティーは、その歴史から明らかなように、聖書信仰から発していると指摘する。聖書信仰を基盤とし、改革・長老派、福音ルーテル派、バプテスト、アルミニウス主義諸派など、極めて幅広い多様性を包含するフォーラムとして、福音主義神学が形成されてきた。「これは、聖書信仰を核とする福音派エキュメニズムと言えよう」と滝浦氏は言う。しかし、こうした多様性のある福音主義神学の軸となる聖書信仰に対する揺れから、今日、福音派のアイデンティティーが問われていると言う。
その上で、滝浦氏は、1)福音主義神学の「基盤」(聖書信仰)を今日の神学各分野を踏まえて確認し、 2)福音主義神学について、各会員、各神学校、各教団のおかれている「状況」を知り、 3)福音主義神学の未来の方向の多様性における一致を求めて「争点」をあげつつ話し合う機会として、今回の全国研究会議を構成したい、と述べている。
研究会議の準備状況や案内、講義レジュメ(簡略版)、関連情報などは、同学会のサイトで随時更新される。
参加費は全期間参加で一般6千円(早割5千円)+食費、神学生・学生3千円+食費。申し込み締め切りは、一次締め切りが6月30日(早割対象)、最終締め切りが9月30日。定員は300人。部分参加の場合の参加費の詳細、申し込み手順、宿泊などについては、第14回全国神学研究会議の案内状を参照。
問い合せは、同会議の安黒務・準備委員会委員長(〒671–4135 兵庫県宍粟市一宮町安黒389 一宮基督教研究所、電話:050・5859・6194、FAX:0790・72・0235、メール:[email protected] )まで。