シリア正教会は3月31日、新しい首座、第123代アンティオキア・全東方総主教に、アメリカ合衆国東部大主教のモル・イグナティウス・アフレム・カリム府主教座下を選出したと発表した。
カリム府主教座下は、3月21日に81歳で永眠した故モル・イグナティウス・ザッカー1世イワス聖下の後継者で、同東部大主教区によると、1965年生まれで、シリア北東部にあるカーミシュリー出身。
シリア正教会の公式ウェブサイトによると、カリム府主教座下は選出にあたって、同教会とその信者たちに全能の神のご加護があるよう祈るとともに、中東地域、とりわけシリアやレバノン、イラク、エジプト、そして世界の他の地域に平和があるようにと祈ったという。
カリム府主教座下はまた、同教会のために働くとともに、聖シノド(主教会議)や姉妹教会の最高指導者たち、エキュメニカル運動と協力して、信仰とキリスト者の一致、そして悪に対する善の勝利を強めると述べたという。
シリア正教会によると、同総主教の選出は、シリア正教会聖シノドがレバノンの首都ベイルートの東にあるアッチャネの聖ヤコブ・バラデウス修道院で開催され、インドのカトリコス・モル・バセリオス・トマス1世座下とモル・セヴェリオス・ハワ座下が議長を務め、そしてアンテオケ聖シノドのメンバー全員が臨席する中で行われた。
選出はカトリコスと主教たちの投票で行われ、カリム府主教座下が多数を占めた。カリム府主教座下はモル・イグナティウス・アフレム・カリム2世の称号を受けた。新総主教は全世界、そしてシノドのメンバーと聖職者たちを祝福した。
カリム府主教座下は1991年以来、世界教会協議会(WCC)の総会に代議員として参加し、常議員会や中央委員会のメンバーや米国キリスト教会協議会(NCCC−USA)の理事を務めるなど、教会の一致に強い関心をもってきた。
WCCのオラフ・トゥヴェイト・フィクセ総幹事は、カリム府主教座下に宛てた4月1日付の書簡で、使徒の時代にまでさかのぼるシリア正教会首座の長い伝統を受け継ぐ同総主教の選出に祝意を表した。