【CJC=東京】教皇フランシスコは公開枢機卿会議(コンチストーロ)を2月22日開催、この中で新枢機卿の任命式を行った。
教皇はコンチストーロに向け、教皇選挙の投票権を持つ80歳未満の枢機卿16人、選挙権を持たない80歳以上の枢機卿3人の、計19人の新枢機卿の名をこの1月発表している。これによりヨーロッパ(イタリア、ドイツ、英国、スペイン)から8人、アメリカ地区(カナダ、ニカラグア、ハイチ、アンティル、チリ、ブラジル、アルゼンチン)から7人、アフリカ(コートジボワール、ブルキナファソ)から2人、アジア(韓国、フィリピン)から2人の枢機卿が新たに誕生した。
22日は「聖ペトロの使徒座の祝日」とあって、バチカンのサンピエトロ大聖堂にあるブロンズ製のペトロ像は、ティアラ(教皇冠)と祭服で飾られた。
教皇が執行した儀式には、世界各国の枢機卿らが集まり、中央祭壇前を緋色の衣で彩った。枢機卿団と共に、前教皇ベネディクト16世も姿を見せた。昨年2月の退位後、前教皇が公の場に姿を見せたのは初めて。前教皇はつえを手に大聖堂に入った後、白い帽子をとって、教皇フランシスコにあいさつした。
バチカン放送(日本語電子版)によると、教皇フランシスコは、新枢機卿一人ひとりを抱擁、枢機卿のシンボルである赤いベレッタ(帽子)と指輪、そして任命書を手渡した。
新枢機卿の中で98歳と最高齢で、かつて福者教皇ヨハネ23世の秘書を務めたローリス・カポヴィッラ枢機卿は、北イタリアのベルガモから「精神的に参加」、後日、任命書を受け取るという。
教皇は任命式の説教で、「教会は、皆さんを必要としています。教会は、皆さんの協力と一致を必要としています。教会は、福音を伝え、いかなる時でも真理を証しする皆さんの勇気を必要としています。キリストの羊の群れがよく歩めるよう祈る皆さんの祈りを必要としています。多くの国々が苦しみの中にある今、教会は皆さんのあわれみを必要としています」と述べつつ、皆が「平和の人」として世界の平和と和解に貢献できるよう要望した。
教皇は23日、サンピエトロ大聖堂で、新しい枢機卿を加えた全枢機卿団と共にミサを行った。