入院中に出会った方々に、告白の日々
集中治療室から3日目に一般病棟へ移され、軽いリハビリも始まり、さらに2週間後には、隣接のペガサスリハビリ病院へ転院となりました。
ちょうど私の自叙伝『天の虫けら(改訂版)』の出版直後でしたが、その後書きに以前患った左脳内出血のことを書いたばかりでしたので、「これで左右バランスが取れた」などと言ったら、怒られてしまいました。
病院では、出会うほとんどの人に「おはようございます」と声をかけ、マンガ『愛・輝きに向かって』、『天の虫けら(改訂版)』など、150冊くらいお渡しできました。
その中には、「アーメン。信じます」と祈ってくださった患者さん、看護師や理学療法士の方たちもありました。退院までに知り合った方たちの健康と長寿を祈り、アーメンと応答してくださった方は、「信じます。アーメン」と信仰告白の祈りをしてお別れしました。
「主の御名を呼ぶ者は救われます!」とのみことばどおり、聖霊に助けられ、救いが満ちる入院生活となりました。
自動車はひっくり返って大破しましたが、身体は傷一つなく守られて幸いでした。一般病棟に移った時、聖書はまだ大破した車の中でしたので、聖書のことばを暗唱しつつの日々でした。
16歳でクリスチャンになり、たくさんの聖書のことばを覚えました。
「どのようにして若い人は自分の道をきよく保てるでしょうか。あなたのことばに従ってそれを守ることです。あなたに罪を犯さないため、私は、あなたのことばを心にたくわえました」(詩篇119篇9、11節)
「また、幼いころから聖書に親しんで来たことを知っているからです。聖書はあなたに知恵を与えてキリスト・イエスに対する信仰による救いを受けさせることができるのです。聖書はすべて、神の霊感によるもので、教えと戒めと矯正と義の訓練とのために有益です。それは、神の人が、すべての良い働きのためにふさわしい十分に整えられた者となるためです」(Ⅱテモテ3章15~17節)
目覚めとともに「ありがとうございます。今日もまた天国の一日です! 感謝します!」そして聖句を告白しました。
「私のたましいは、ただこれを思い出しては沈む。私はこれを思い返す。それゆえ、私は待ち望む。私たちが滅びうせなかったのは、主の恵みによる。主のあわれみは尽きないからだ。それは朝ごとに新しい。『あなたの真実は力強い』」(哀歌3章20~23節)
愛用の聖書のことばを口ずさみ、祈る入院生活でした。相部屋の方で「今日もまた天国の一日です!」のことばに共鳴して口ずさみ、退院の朝には祝福を祈り「アーメン。信じます」と別れた方もありました。
九州からの見舞いがあり、立派な扇をいただきました。冷房の利いた病室でしたが、真っ白な扇には、墨黒々と聖書のことばが書かれていました。
「あなたのみことばは、私の足のともしび、私の道の光です」(詩篇119篇105節)
どんな暗い夜でも光があると躓くことなく進めるように、聖書のことばこそ人生の道を照らし続ける光だ、と強く感動しました。
また、時折メールで聖書のことばだけが届き、慰めと勇気が与えられました。
「心騒ぐ者たちに言え。『強くあれ、恐れるな。見よ、あなたがたの神を。神の報いが来る。神は来て、あなたがたを救われる』」(イザヤ35章4節)(続く)
■天国から追い返された牧師:(1)(2)(3)(4)(5)(6)
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榮義之(さかえ・よしゆき):1941年鹿児島県西之表市(種子島)生まれ。生駒聖書学院院長。現在、朝日放送のラジオ番組「希望の声」(1008khz、毎週水曜日朝4:35放送)、3つの教会の主任牧師、エリム宣教会として国内外の宣教を支援するなど、幅広い宣教活動を展開している。
このコラムで紹介する小冊子『天国から追い返された牧師(三たび輝く命に生かされて・改訂版)』は、著者が2012年7月22日に脳内出血と交通事故で病院に搬送されてからの入院生活、1カ月後の完治体験を書き綴った、神の恵みを証しする書。1999年の左脳内出血発症から、奇跡的に何の後遺症もなく完治するまでの体験談も収録している。