想像(思考)には、創造(創出)する力がある。人の思いの中でイメージされデザインされた物事がそのまま現実に創り出されていくことは、日常の出来事である。
創造主なる神は、その思いの中で宇宙万物を完ぺきに想像(イメージ・デザイン)して、それを現実に創造(クリエイト)した。神にそっくりに造られた人間は、神の子として当然に父なる神の想像力とそれに伴う創造力を受け継いでいる。「一念岩をも通す」「一念天に通ず」「精神一到何事か成らざらん」。想念(イマジネーション)は物事を成し遂げる現実の力である。
昨年8月にワシントン大学の研究者たちが、「念じるだけで他人を動かす」実験に成功した。同大学のラジェシュ・ラオ教授はキャンパス内の一室である動作を強く念じたところ、別室にいた男性がその通りの動作をしたという。
人間の想念は、その強弱は別にして、時間空間を超越して一瞬にして全世界に(いや全宇宙に)伝播する力を持っているのである。インターネット社会に生きている者にとっては何も不思議なことではない。
とすれば、ふだんの生活の中で、自分が何を思い、何を想像しているかが、自分だけでなく、家族や人々に多大の影響を与えていることになる。だから、その責任は重大である。
聖書に書かれているように、霊の世界では、「あんな奴、死んでしまえ!」と思っただけで殺人の罪を犯したことになる。他人の妻に対して淫らな思いを持っただけで、姦淫したことになる。そのような悪い思いを継続的にかつ強力に持ち続けるならば、いつかは想念の力によって悪い思いを実際に行ってしまう。逆に、いつも隣人の幸せを願い、敵をも愛し、迫害する者に対しても恨んだり裁いたりしないで祝福を祈っていけば、いつかはその思いが実現する。
良い思いも悪い思いも、心の土地(霊の世界)に種として蒔かれるのである。霊の世界に蒔かれた良い思いはこの世(肉の世界)で良い実を結び、悪い思いは悪い実を結ぶ。種はたくさん蒔けば蒔くほど、実をたくさん結んでいく。
「この問題は解決しないのではないか。もうダメだ!」。このような思いを持ち続けるなら、その通りの結果をつかむ。「この問題は絶対に解決する。神に不可能はない!」と信じて疑わないなら、その通りの結果をつかむことになる。なぜなら、想像には創造する力があるからである。
大切なことは何を想像するかである。神のことばを信じて、それが実現しているイメージを持ちつづけるなら、その通りに実現していく。これは驚くべき恵みである。
―「すべての真実なこと、すべての誉れあること、すべての正しいこと、すべての清いこと、すべての愛すべきこと、すべての評判の良いこと、そのほか徳と言われること、称賛に値することがあるならば、そのようなことに心を留めなさい」(ピリピ4章8節)
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佐々木満男(ささき・みつお)
国際弁護士。東京大学法学部卒、モナシュ大学法科大学院卒、法学修士(LL.M)。インターナショナルVIPクラブ(東京大学)顧問、ラブ・クリエーション(創造科学普及運動)会長。
■外部リンク:【ブログ】アブラハムささきの「ドントウォリー!」