日本福音ルーテル教会(東京都新宿区、立山忠浩総会議長)は、第25回総会期第6回常議員会で、フィンランド・ルーテル福音協会(SLEY)信徒宣教師に対する任地を限定した按手執行の可能性について、「可能性はない」との答申を受け、これを受理した。これにより、日本福音ルーテル教会ではこの見解が公式のものとなるが、この見解に立った今後の対話については執行部が行っていく。
先月初めに市ヶ谷センターで開催された同常議員会では、2つの諮問事項に対する答申について協議を行った。その1つが、「SLEY信徒宣教師に対する任地を限定した按手執行の可能性について」。諮問の背景には、違いを抱えつつも日本での福音宣教において恊働を実現する必要があるという課題認識があったという。
答申では、▽信条集からの判断、▽日本福音ルーテル教会の教職授任按手という観点、▽教会間の信義という観点などから、SLEY信徒宣教師への按手は任地を限定しても可能性はないとした。常議員会では、この答申を全体教会として受理したため、今後は日本福音ルーテル教会の執行部がこの見解に立って対話を進めていくことになる。
一方、もう1つの諮問事項「社会における教会の見解表明の仕方について」では、現在、日本福音ルーテル教会には社会の問題に関する事柄を恒常的に取り扱う機関がないなどという答申を受け、今後の方針と実行提案を次回常議員会にはかるよう取り組む決議を行った。