日本国際飢餓対策機構は、台風30号で甚大な被害を受けたフィリピンのバンタヤン島、レイテ島、サマール島の被災者に、日本から空輸した防災備蓄用のパンの缶詰約1万食分や汚れた水を飲料水にする水フィルターセットの配布を始めた。
13日から20日までの1週間にわたり、セブ島近郊のバンタヤン島、レイテ島のタクロバン、タナウアン、サマール島のバセイ、マラブット、ヘルナニなどへ2台のトラックで輸送する。同機構のこれまでの被害調査に基づくとともに、現地パートナー団体の国際飢餓対策機構フィリピン、フィリピン福音自由教会、フィリピン福音同盟などの救援活動とも連携して実施している。
同機構の配布する水フィルターセットについては、被災者から「地元政府から水の支給が2ガロンあったが、生活用水のため飲むことができなかった。でもこの水フィルターを使えば飲めるようになったので助かった」「台風で井戸の水が汚れてしまったので、安全のために沸かして飲んでいた。でもこの水フィルターがあればすぐに飲めるので本当に助かる」などと好評だ。パンの缶詰も「パンが柔らかくておいしい」と特に子どもたちに喜ばれている。
地域によっては、まだ電気や水道などのインフラについても復旧の見通しすらつかないところもある。同機構では、現地パートナーと協力しながら、地域のニーズにあわせた支援を続けていく方針だ。また来年1月にも、住宅の補修などを手伝うボランティアチームを日本から派遣する予定だ。