フィリピン中部に甚大な被害をもたらした台風30号の上陸から8日で1カ月を迎える。国家災害対策本部によると、これまでに確認された死者数は5796人。行方不明者はいまだ1779人に上り、いまも396万人以上が家屋を失うなどして避難生活を送っている。
ワールド・ビジョンはこれまでに、レイテ島やセブ島など5つの地域で10万人以上の被災者に食料や衛生品などの支援物資を配布した。また、子どもたちが安心して遊べる場所や母親が安心して授乳できる施設を各所に設置し、地元の医師や保健省とも連携しながら、心に傷を負った子どもたちとその家族への心のケア支援に取り組んでいる。
日本国際飢餓対策機構は6日、セブ島とレイテ島の中間にあるボホール島にスタッフを派遣した。1200万人の住むボホール島は、10月15日のマグニチュード7・2の地震により多くの家屋が倒壊し、多数の住民が死傷した地域だ。震災からの復旧活動の最中、台風30号の被害を受けた。通信や交通のインフラもまだ十分に復旧できていなかったため、被害状況の把握が遅れている。8日までの滞在で、現地の被害状況を調査すると同時に、被災した住民への食料支援を実施する予定だ。
また、レイテ島に支援が集中しているために、被害規模のわりに支援が遅れているサマール島でも、現地バートナー団体の国際飢餓対策機構フィリピンと協力し、食料支援や子どもを対象にした心のケア支援を行っている。8日にも日本から防災備蓄用のパンの缶詰約1万食分と、汚れた水を飲料水にする水フィルターセット360家族分を空輸し、被災者に配布する予定だ。