【CJC=東京】南アフリカのネルソン・マンデラ元大統領の死去について、バチカン(ローマ教皇庁)、国連や英王室からも哀悼の言葉が続いている。
教皇フランシスコは6日、ジェイコブ・ズマ南ア大統領に弔電を送った。バチカンが発表した。教皇は弔電の中で「マンデラ元大統領は非暴力と和解、真実を礎に新生南アを造った。南アの人々が元大統領を範に正義と善を前面に打ち出すよう期待する」と述べた。
英国のエリザベス女王は、「マンデラ氏と会ったときに感じた素晴らしい温かさを記憶している。彼は国のために懸命な努力を重ね、その遺産として、我々は今、南アに平和をみることができる」との声明を発表した。チャールズ皇太子も「彼は平和、正義、自由のために闘い、それによって人生を変えられた人は多い。彼の死は、そうした人々に大きな悲しみとなるだろう」と述べた。
国連の潘基文(バン・キムン)事務総長は5日、緊急に開いた記者会見で「正義の巨人だった。世界中の多くの人が、彼の無私無欲の闘いに多大な影響を受けた」と業績を評価した。
一方、南アフリカ出身のナバネセム・ピレイ国連人権高等弁務官は6日、マンデラ氏について「おそらく同時代の最も偉大な精神的指導者だった」との声明を出して死を悼んだ。
ピレイ氏は南アで弁護士として反アパルトヘイト活動家の弁護を担当。95年にマンデラ元大統領から黒人女性初の南ア高裁判事に任命された。
オバマ米大統領は5日、ホワイトハウスで声明を読み上げ、「最も大きな影響力と勇気を持ち、この地球上の誰もが共有する深き良き人間性をそなえた人物を失った」とその死を悼んだ。オバマ大統領は「私の最初の政治的行動はアパルトヘイトに反対することだった」と自らの青年時代を回想し、「彼が刑務所から釈放された日、人間は恐怖ではなく希望に導かれることで何事かを成すのだと感じた」と自らの人生に与えた影響の大きさに言及した。
中国の習近平国家主席は6日、南アのズマ大統領へ弔電を送り、「中国政府や国民を代表し、個人としても深い哀悼の意を表する」とのコメントを発表した。