アドベント(待降節)第2主日を迎えた各地の教会では8日、聖書が与えられたことを感謝し、すべての人に福音が伝えられることを祈る「世界聖書日曜日(バイブル・サンデー)」を覚えての礼拝が行われた。聖書普及活動を行う日本聖書協会は、今年もこの日にあわせて、同協会の新規後援会員や各プロジェクトへの献金者を募るキャンペーンを実施し、参加を呼びかけている。
世界聖書日曜日とは、約450年前に英国聖公会がアドベント第2主日の祈祷課題を「聖書が与えられたことを感謝する」と定めたことにちなみ、英国聖書協会が毎年アドベント第2主日を「聖書日曜日(バイブル・サンデー)」と定め、聖書普及活動推進のため全世界に広めてきたもの。英国で1804年に始まった聖書協会の働きは現在、世界で約150の聖書協会が200以上の国や地域で聖書普及活動を展開するほどに広がっている。
日本での働きは1875年にスコットランド聖書協会、翌年には英・米両聖書協会が支社を設立したことに始まり、1937年にこれらを統合して日本聖書協会が発足した。現在では、国内の諸教会と団体の支援、協力を得ながら、日本国内だけでなく全世界の聖書普及活動に大きく貢献している。
日本聖書協会では現在、特に、貧困や紛争など困難な状況下で活動する各国の聖書協会を中心に支援する「海外聖書製作支援献金」と、日本のろう者のための「手話訳聖書製作支援献金」への参加を呼び掛けている。
今年度は「海外聖書製作支援献金」を通して、リトアニア、アゼルバイジャン、トーゴ、タンザニア、ミャンマーなどの国々に合計22万4000ドルを支援。各国で行われている聖書の頒布事業などに充てられた。
「手話訳聖書製作支援献金」で集められた資金により、日本聖書協会は手話訳聖書製作費を「日本ろう福音協会」に助成している。製作が献金で支えられることにより、発行される手話訳聖書を1巻100円で頒布することが可能となっている。
「手話訳聖書」はすでに15書21巻まで完成しているが、全巻完成には至っていない。そのため日本聖書協会では、手話訳聖書全巻完成まで年会費1口1万円を継続支援する「手話訳聖書製作」パートナーを募集している。パートナーには特典として、既刊の15書21巻と、完成に近づく喜びがともに分かち合えるようにと、今後できる書が発行のたびに送られてくる。
今年度は国内における聖書製作・聖書支援として、手話訳聖書製作のために「日本ろう福音協会」へ製作費を援助したほか、点字聖書の新共同訳聖書880冊、口語訳聖書120冊を製作した。さらに、全国のキリスト教系児童養護施設118カ所にそれぞれ、絵本・マンガ聖書など計15点を贈呈、韓国に日本人留学生のための伝道用聖書120冊を寄贈した。
また、日本聖書協会では、東日本大震災の被災地支援として「福島クリスチャンセンター」(仮称)設立のための支援募金と、阪神淡路大震災を経て2003年に再建された「神戸バイブルハウス」の支援募金も呼びかけている。福島クリスチャンセンターは東北地方における聖書普及の働きを活発化する拠点として、今後5年計画で設立することを視野に入れ、準備を進めている。9月末時点で福島クリスチャンセンター設立支援募金に145万3525円、神戸バイブルハウス支援募金に59万3720円が寄せられた。
後援会は1口1千円から5万円までの5つのタイプから選択が可能。入会者にはもれなく、特製会員証と会員バッジがもらえるほか、ニュースレター「からし種」が年4回送られてくる。
ホームページでも会員申込、献金振込が可能。詳しくは、同協会ホームページ。