京都で開催された「エンパワード21全日本大会」(同実行委員会主催)は12日午前、エンパワード21の国際コーディネーターで米オーラル・ロバーツ大学総長のビリー・ウィルソン(Billy Wilson)氏が講演した。ウィルソン氏は、「日本には特別な神の計画があると信じている」と語り、日本が21世紀における世界宣教のカギとなる重要な役割を果たすとの見解を示した。
エンパワード21は、いまや6億5千万人が参加するペンテコステ運動の始まりとなった1906年の米ロサンゼルス・アズサ通りでのリバイバルから100周年を迎え、世界の主要なペンテコステ運動の指導者たちを中心に起こった世界規模の宣教拡大運動。2010年4月に米オクラホマ州タルサで開催された第1回世界大会には、世界95カ国から1万人を超える教会指導者らが集った。世界評議会を中心に、アジア、アフリカなど世界12の地域ごとに組織運営委員会がすでに立ち上がっており、世界各地で運動を展開している。
日本での大会開催は今回が初めて。午前の集会には、国内外のキリスト者約3000人が集まった。
ウィルソン氏は、アズサ通りでリバイバルが起こった1906年に、歴史に残る大災害となったサンフランシスコ大地震が起こったことに言及。「地面が動いただけではない。彼らは動かされることのない神を見た」と語り、「(東日本大震災が)新しい時代のしるしとなるように願う」と話した。さらに、アズサ通りでのリバイバルの拠点となった教会の跡地に日米文化会館が建てられていることにも言及し、教会史に残る大リバイバルと日本とのつながりを強調した。
そのうえで、「この大会が、日本の教会を動かし始めるカギとなり、新しい時代へと入っていく契機となるように願う」と語り、「いま日本に神の御霊が注がれるのです」と力を込めた。
ウィルソン氏は、日本の教会が変化するカギとして、日本のキリスト者が(1)主の幻を見ること、(2)主の命じにすぐに従うこと、(3)主の霊を見分けること、(4)渇くことのない情熱を持つこと、(5)祈りと礼拝に専念することを挙げた。
ウィルソン氏は、パウロのヨーロッパ宣教がマケドニア人の幻を見たこと(使徒16・6~10)から始まったことを強調し、「私たちがまず主の幻を見なければいけない。主がなされたいことを主ご自身がみなさんの霊に教えてくださる。あなたはそれを行うことができる」と説いた。
また、マケドニア人の幻を見たパウロが「すぐに」(使徒16・10)マケドニアへ向かったことを強調し、「霊的な変化を見たいのであれば、行動が必要」と説いた。ウィルソン氏は、周囲からの厳しい非難を受けながらも近代海外宣教の父と呼ばれる偉業を成し遂げたウィリアム・ケアリの生涯を例に挙げ、「あなたの歩みを止めようとする人がいるかもしれない。しかしそのビジョンが神から来たものならば、行いなさい。神が祝福してくださる」と強調した。
さらに、パウロのヨーロッパ宣教を記した続く箇所で、パウロがある女に取りつく占いの霊を見分け、一見正しい主張だが福音宣教を妨げるとしてその霊を追い出した出来事(使徒16・16~18)を引用し、「私たちには見分ける力が必要。聖霊は私たちに夢を与えるだけでなく、私たちに必要な力を与え、それを成し遂げさせてくださる」と説いた。
続けてウィルソン氏は、パウロが女から占いの霊を追い出したことをきっかけにさらに厳しい迫害を受けたことを強調し、「悪魔はある方法で福音宣教を止めることができなければ、別の方法を使って止めようとする。日本の変化を見たいと願うなら、私たちには渇くことのない情熱が必要。たとえプレッシャーが襲ってきたとしても、私たちはやめないのです」と力を込めた。
ウィルソン氏は、「渇くことのない情熱をイエス様に対して持ち続けた人がいたから、私たちがいまここにいる」と語り、「イエス様は、神の国の福音が世界中に広められ、そして世の終わりが来るとおっしゃった。いまは混乱の世界、愛が冷めていく世界かもしれない。しかし、いまも世界中に福音は広がり続けている。だから忍耐深く行う人が必要なのです」と強調した。
最後にウィルソン氏は、パウロが牢獄でも祈り続けたこと(使徒16・25)を強調し、「パウロの牢獄での祈りを通して、ヨーロッパが変えられた」と祈りと礼拝の重要性を説いた。「日本が変わっていくとすれば、それは祈りと礼拝を通して行われる」と語り、「主は日本に変化を与えようとされている。あなたが祈るとき、礼拝するとき、主に従うとき、主の幻を追い求めるとき、あなたにはできないが神にはできる。神がこの地球を揺り動かし、主の栄光のために日本を変えられるのです」と力を込めた。