ピラトはイエスに
ルカの福音書23章1~7節
[1]序
前回は議会(サンヘドリン)の前での主イエス。今回は、それに引き続き、ローマの総督ポンテオ・ピラトの前での主イエス。
[2]ピラトへの訴え
(1)ピラトについて
「ちょうどそのとき、ある人たちがやって来て、イエスに報告した。ピラトがガリラヤ人たちの血をガリラヤ人たちのささげるいけにえに混ぜたというのである」(ルカ13章1節)。強圧的なやり方。
(2)ピラトへの訴えの内容
「この人はわが国民を惑わし、カイザルに税金を納めることを禁じ、自分は王キリストだと言っていることがわかりました」(23章2節)。政治的メシア、政治的問題として訴えている。
[3]ピラトの審判
(1)「ユダヤ人の王」
3節に見るやり取り。22章24節参照。主イエスは、政治的メシアとしての王ではないが、「王の王、主の主」(黙示録17章14節、19章16節)。本当の意味で、「ユダヤ人の王」なるお方。参照マタイ2章1~12節、ヨハネ19章19~22節。
(2)ピラト、主イエスの無罪を証言
「この人には何の罪も見つからない」(23章4節)、参照23章14節。「神は、罪を知らない方を、私たちの代わりに罪とされました。それは、私たちが、この方にあって、神の義となるためです」(Ⅱコリント5章21節)。
[4]結び
(1)ポンテオ・ピラトの姿
罪人としての人間。
(2)ピラトの前の主イエス・キリスト
真に王の王、主の主なるお方。
宮村武夫(みやむら・たけお)
1939年東京生まれ。日本クリスチャン・カレッジ、ゴードン神学院、ハーバード大学(新約聖書学)、上智大学神学部修了(組織神学)。現在、日本センド派遣会総主事。
主な著訳書に、編著『存在の喜び―もみの木の十年』真文舎、『申命記 新聖書講解シリーズ旧約4』、『コリント人への手紙 第一 新聖書注解 新約2』、『テサロニケ人への手紙 第一、二 新聖書注解 新約3』、『ガラテヤ人への手紙 新実用聖書注解』以上いのちのことば社、F・F・ブルース『ヘブル人への手紙』聖書図書刊行会、他。