【CJC=東京】ロシア正教会の最高指導者キリル総主教が、誘惑を避けるため、携帯電話をインターネット接続に使わないよう修道者に要請した。ロイター通信が6月8日報じた。
同総主教がギリシャ・アトス山のゾグラフ修道院を訪問した際に語ったもの。「今は、インターネットが大きな誘惑になったようだ」という発言は同教会のサイトにも掲出された。
「わたしの見るところ、全く無分別な行動をする修道士が多い。救いのためになる状況を生み出そうと俗世を離れながら、携帯電話を持って、インターネットに入る。そこには罪深い、誘惑するものがたくさんあるではないか」と言う。
修道院は伝統的に、厳しい戒律が定められており、新しいものに対応する必要はない、とキリル総主教。これまでもインターネットに支配されることに警告を発している。
ただ正教会当局者が、匿名を条件に語ったところでは、総主教自身がインターネットを情報収集のために使っているとか。
アトス山周辺には現在約20の修道院があり、東方正教会の一大中心地。ギリシア領内だが「聖山の修道院による自治国家」として大幅な自治が認められている。