でもおことばどおり
ルカの福音書5章1節~11節
[1]序
今回は、ルカの福音書の5章1節以下の箇所を読み進めます。
[2]「でもおことばどおり」
(1)状況
大勢の人々が主イエスの話を聞くため集い、主イエスはシモンの持ち舟に乗り込んで話されたのです。
(2)「でもおことばどおり」(5節)
主イエスのシモンに対することば。漁師としてシモンは漁をするのに良いのは昼ではなく夜と熟知していました。ところが日が暮れていないのに、「深みに漕ぎ出して、網をおろし魚をとりなさい」と主イエスは命じられ、しかも前の夜は、夜通し働いても何の収穫もなかったのです。しかし命令されたのが主イエスご自身であるため、シモンは従うのです。
(3)「私は、罪深い人間ですから」(8節)
主イエスのことばがどのように実を結んでいくかを知って、主イエスのことばの権威とことばを語られたお方の権威をシモンは悟り、そのお方の前で自分の真の姿を悟るのです。
[3]「主イエスの招きと約束」
(1)「こわがらなくともよい」と、罪人を招き罪を救す主イエスはシモンに呼び掛けなさいます。
(2)「罪人」との自覚を持つ者を主イエスは招き(15章2節)、ご自身に仕えることを許され、人々をご自身のもとに集める使徒として使命を委ねるのです。
(3)5節に見るように、主イエスのことばに従うシモンは、さらに招きに答えて十分な服従をなしていきます。
[4]結び
(1)シモンは生活のさなかで主イエスのみことばに従います。みことばは足のともしび、道の光りです。私たちの生活と生涯においても、みことばに従うように招かれています。
(2)「罪人」としての自覚を持つ者に対する主イエスの招き。シモンは主イエスの招きに答えて従い進みます。私たちもそれぞれに招かれ使命を与えられています。
宮村武夫(みやむら・たけお)
1939年東京生まれ。日本クリスチャン・カレッジ、ゴードン神学院、ハーバード大学(新約聖書学)、上智大学神学部修了(組織神学)。現在、日本センド派遣会総主事。
主な著訳書に、編著『存在の喜び―もみの木の十年』真文舎、『申命記 新聖書講解シリーズ旧約4』、『コリント人への手紙 第一 新聖書注解 新約2』、『テサロニケ人への手紙 第一、二 新聖書注解 新約3』、『ガラテヤ人への手紙 新実用聖書注解』以上いのちのことば社、F・F・ブルース『ヘブル人への手紙』聖書図書刊行会、他。