私たちは日常生活の中で、しばしば不足感や絶望感に陥ることがあるのではないでしょうか。“時間が足りない、お金がない、チャンスがない”という思いで心がいっぱいになると、不平不満を言い、人に対してもイライラしてしまい、何より自分自身の人生を喜ぶことができなくなる、悪循環に陥ります。実際は良いことがたくさんあるのに、そのことに気づけなくなるのです。
また近頃は、一人の方が楽でストレスもないという人も多いようですが、一緒に交わりをしないと感じることができない楽しさや喜びがあります。教会には、そんな喜びがあふれています。そして、何をするにしても、幸せを引き寄せるには、あなたの心の状態が大切です。今回の聖書箇所から、心を幸せに導く4つの鍵を学びたいと思います。
1.賛美
この詩篇の著者のダビデは、イスラエルの王にまでなった人物です。王だからといって、何の苦しみもなく幸せになれたわけではありません。この詩篇も、ダビデが命を狙われ、逃亡を続ける中、荒地の砂漠で書かれたものと言われています。しかし、そんな嘆き苦しみの中でもダビデは、4節「生きているかぎり、あなたをほめたたえ」と告白し、神に焦点を当てて賛美しているのです。揺るがない基準である神に心を向けて賛美することが、幸せに導く鍵です。
2.喜び
5節「髄に満ち足りるかのように、私のくちびるは喜び」とあります。私たちの感情には喜怒哀楽があって、いつも喜ぶということは難しいでしょう。しかし、車のハンドルが、右や左に動いても、手を放すと自動的に真ん中に戻るように、私たちも心の真ん中の基準を「喜び」とし、様々な問題が起こっても、いつも喜びに立ち返るようにしましょう。不平をこぼしたくなる時も、喜びを忘れないでください。
3.感謝
6、7節「私は床の上であなたを思い出し…あなたは私の助けでした」。私たちが過去を振り返り、思い出すとき、心にあるものが「感謝」でありますように。恵みを1つ1つ数えていきたいと思います。思い出して数えるということは、とても大切なことで、それが記憶に刻まれていきます。もちろん、辛いこともあるでしょう。しかし、その暗い思い出ばかりを心に残し続けて積み重ねていませんか。当たり前に思っていることも、実は感謝な出来事です。失ってから気づくのではなく、恵みを数えたいと思います。
4.平安
8節「あなたにすがり、あなたの右の手は私を支えてくださいます」。この御言葉が表しているものは、「平安」です。私たちには神の守りがあり、心には平安が与えられています。人間の最大の恐怖である死でさえも、イエスを通して永遠の命が与えられている私たちは恐れません。平安です。死が訪れ、別れの時を思うと、心は暗くなるでしょう。しかし、神が私たちを受け止めてくださるから大丈夫です。
賛美、喜び、感謝、平安、この4つの鍵を握って、神と共に歩む人生は、必ず幸せへと導かれます。
万代栄嗣(まんだい・えいじ)
松山福音センターの牧師として、全国各地、そして海外へと飛び回る多忙な毎日。そのなかでも宗教を超えた各種講演を積極的に行っている。国内では松山を中心に、福岡、鹿児島、東京、神戸、広島、高松にて主任牧師として活動中。キリスト教界のなかでも、新進気鋭の牧師・伝道者として、注目の的。各種講演会では、牧師としての人間観、ノイローゼのカウンセリングの経験、留学体験などを土台に、真に満足できる生き方の秘訣について、大胆に語り続けている。講演内容も、自己啓発、生きがい論、目標設定、人間関係など多岐にわたる。
また、自らがリーダー、そしてボーカルを務める『がんばるばんど』の活動を通し、人生に対する前向きで積極的な姿勢を歌によって伝え続け、幅広い年齢層に支持されている。
国外では、インド、東南アジア、ブラジル等を中心に伝道活動や、神学校の教師として活躍している。