欧米カトリック教会による国際司教団が10日、中東および聖地エルサレムでの継続的な政情不安定の状態への懸念を高め、声明文を発表した。
聖地エルサレムに欧米のカトリック国際司教団が5日間にわたって訪問した最終日に、司教団は「イスラエルおよびパレスチナ、シリアに住む人々が感じている深い不安」について懸念を表明した。
同司教団は、最近生じている紛争は「イスラエルとパレスチナの間での二極化を高め、シリアでの紛争は多くの難民を近隣諸国に生じさせ、それぞれの国の資源分配に著しく負担をかけています」と述べた。
司教団は同地区を訪問する中、ガザ地区、ベツレヘム、ベイト・ジャラのキリスト教共同体を訪問した。訪問中司教団は詩篇122編6節「エルサレムの平和を求めよう。『あなたを愛する人々に平安があるように』」を引用して現地のキリスト者らとともに毎日祈る時間がもたれた。同地区のキリスト教徒らは地元の人々の土地や宗教組織をイスラエルの防衛線の拡大から守るための法的な紛争問題に直面していることを司教団に告げたという。
司教団は「それぞれの政府に対し、このような不正がなされることを防ぐように促し続けることを約束します」と述べた。さらにイラクでのテロ活動や暴力から逃れ出た難民が蔓延してきていることにも懸念が生じている。
司教団は、「公正な平和とすべての国々のキリスト教共同体と良心ある人々に対し、パレスチナ、イスラエル地域でより良い未来のための取り組みがなされるように支援していただくよう呼び掛けたいと思います。私たちは他の人々に対しいかに神にある信仰が聖地に住まわれる人々に光をもたらすかを告げ知らせるために召されています」と述べ、世界のキリスト者らに対し、聖地巡礼を行い、聖地での平和を促進する努力をするように呼び掛けた。
現地訪問を終えた司教団は今後成すべき取り組みとして、「それぞれの政府に対し、聖地で苦しみの原因となっている事柄を認識させ、公正な平和のために一段階進んだ努力をしていただけるように熱心に働きかけていかなければなりません」と結論を述べた。