ブラジルでキリスト教徒の人口が劇的に増加する最中、ブラジル諸教会ではさまざまな方法で伝道活動の活性化させ、社会のさまざまな活動に関わっている人々の試みている。その一環として柔道を伝道の手段として取り入れたプログラムが注目を集めている。ブラジルサンパウロ州にあるサン・ジョゼ・ドス・カンポスにある聖書リバイバル福音教会(IEAB)は、柔道伝道プログラムを取り入れている諸教会のひとつである。22日、米クリスチャンポスト(CP)が報じた。
柔道プログラムは当初柔道の人気を集め、柔道を通してより人々の社交性を高めて行くことから始まり、最終的には柔道によって社交性の高められた人々をイエスに導くことにつながる活動となったという。同プロジェクトは柔道ブラジル同盟によって支持されており、教会牧師らによって監督されている。
IEABの柔道プログラムフェイスブックページでは、スポーツのさまざまな長所を取り入れて信仰に人々を導けるように工夫がなされており、「神様は知恵あるものをはずかしめるために、愚かな者を用いられ、強い者をはずかしめるために弱い者を用いられる。筋肉は技術と制御、そして信仰なしには意味がない。キリストのための柔道」というキャッチコピーが表示されている。
同フェイスブックサイトでは「IEABはこの街のための教会とさせていただきたいのです。私達は質的にも量的にも成長している教会です。教会は霊的であり、感情的であり、倫理的であり、また活動的で社会的に転換された人たちで成り立っています。私達は神の臨在の体験をし、個人的そして集団的な礼拝をなしていきたいのです。神と他者との関係性において完全な教会を目指しています。IEABではすべての信じる人々が賜物とタラント(能力)を神から与えられており、それぞれの特性に従って神に仕えることができる教会となることで、すべての人々が神様がこの地に成されようとする目的にかなう必要を満たしていきたいのです」と伝えている。
同プログラムでは、人々を伝道し、弟子訓練を施して行く中で、人々を完全に癒やし、人々が神との交わりの中で成長して行くのを助け、信徒が神に仕える者たちとして強化され、霊的な賜物によって他者を助けていけるようになることが目指されている。
その他にもブラジルではさまざまな教会で柔道が伝道プログラムに取り入れられている。
一方柔道を伝道に取り入れるプログラムは、まだブラジルキリスト教指導者らに全般に支持されているわけではないという。柔道伝道が神の御国のために用いられることを各ミニストリーは強調しているものの、多くのキリスト教指導者や牧師らからはキリスト者が暴力を実践しているのではないかという反対の声も聞かれているという。
リオデジャネイロのアッセンブリーズ・オブ・ゴッド教団牧師のサンチェ・ジボルディ氏は、伝道活動の中に暴力的なスポーツを用いることについて「キリスト教が律法的になる必要はありませんが、Ⅰコリント6章12節やⅠテサロニケ5章22節の御言葉を無視してはいけません。合法的で罪に問われないスポーツでもキリスト教徒にはふさわしくないものがあります」と述べており、暴力はスポーツというカテゴリーの中であったとしても無視できるものではないと警告しているという。