19日、ブラジルリオデジャネイロで25万人以上ものプロテスタントのキリスト教徒が集い、行進を行った。23日、米クリスチャンポスト(CP)がブラジル軍事警察の報告を元に報じた。
19日の行進では、大勢のプロテスタントがイエス・キリストを信じる信仰を行進を通じて表現し、教会が建物の敷地内だけに留まる存在ではなく、社会に開いており、社会の中で生きている存在であることがアピールされた。
ブラジルで2万人の教会員を有するプロテスタント教会牧師のサイラス・マラファイア氏は、同行進に参加して、共に「この都市を統治するお方はイエス・キリストです。この方こそ統治者であり、権威あるお方です」と詠唱し続けたという。
行進に参加した人々は皆喜びに満たされており、リオデジャネイロのプロテスタント教会牧師のマルコ・アントニオ氏は「この喜びはイエス様から来ています。このお方が私たちの人生を変え、転換してくださったのです」と述べたという。
マラファイア氏他ブラジルのキリスト教指導者らおよび行進参加者らは、行進を通して宗教の自由、言論の自由、伝統的な家族の価値観(男性と女性の間での結婚)やいのちの大切さについてを表現する機会を得ることになった。近年ブラジルでも同性愛の問題が深刻化している。
リオデジャネイロ北部のアッセンブリー・オブ・ゴッド教会牧師のアブナー・フェレイラ氏は、「私たちは全ての人々の自由を尊重します。しかし神様が男性と女性をひとつにされるということに関しては、世の終わりまで主張し続けます。男性と女性がひとつになるという神の奥義について、私たちの信仰表現を止めることはありません。これは差別ではありません。同性愛という行為はとがめられるべき行為なのです」と述べた。
世界で2番目にキリスト教徒の人口が多いといわれているブラジルにおいて、「PL122」法という同性愛者の権利を認める法律が制定されようとしており、キリスト教会が強く反発している。サイラス・マファライア氏は「同法は宗教の自由、言論の自由にも悪影響を与えることになります。この行進は『PL122』法に反対する行進でもあります。この法律は同性愛を容認する法律でもありますが、私たち(キリスト者)にとっては原則に関わる法律です。この法律が制定されることで、人々が社会で同性愛者に対して反対の意見を表現する場所が無くなってしまう恐れがあります」と述べている。
さらに同氏は「PL122」法は同国憲法にも違反するものであると主張している。というのも同性愛が合法化されることで、同性愛者が同性愛が罪深い社会に有害なライフスタイルであると非難されたとしても、非難した側が同性愛者の人権を害したことで、最大懲役5年の実刑を下される可能性が生じるからであるという。さらに「PL122」法では、公の場で同性愛の行為を表現する人々の行いを禁止したいと願い呼び掛ける人々が、警察に逮捕され3年から5年の実刑判決を受ける可能性もあるという。
同氏は「礼拝の場、神殿を設けることは、憲法で保証されています。しかし、教会の敷地については保証されていません。つまり同性愛者が私の教会の庭の中で口づけをし合っていたりした場合、私は彼らを追い出します。しかし『PL122』法によって、私が彼らを追い出したことで、私が刑務所行きになる可能性があります。何という法律でしょうか。ブラジルは、ひとりの人が大統領や政治家、監督者、牧師、司祭さらには同性愛について非難する権利が認められている国です。しかし『PL122』法によって、ある人が同性愛者を非難することで、逮捕されてしまうのです」と述べている。
同氏は同性愛者を差別しようとしているわけではないとし、『PL122』法によって同性愛の団体が同性愛者を非難する人々をチェックする検閲のようなものを入れこもうとしていると主張している。
同法は2006年から制定が試みられ、ブラジル議会で現在保留状態となってきた。今年4月に入って、ブラジル上院議員マルタ・サプリシー氏が同法の制定問題について取り上げたことを機に議論が再燃するようになったという。