【CJC=東京】ロシアのウラジミル・プーチン大統領は6月25日、イスラエルを訪問した。同日朝、政府閣僚、アドバイザー、ジャーナリストなど300人と共に航空機4機でネタニヤに到着した。大統領のイスラエル訪問は05年以来。大統領は、第二次大戦時のソ連赤軍記念碑前で演説、「ホロコースト」(ユダヤ人大虐殺)を、「人類史上、最も暗く恥ずべき出来事」と呼び、記念碑建立に感謝を表明した。
大統領は同日夜、エルサレムでシモン・ペレス大統領と会談、核兵器開発が疑われるイランへの武力行使について「アフガニスタンやイラクで米国に起きたことを見よ」と述べ、性急な攻撃を自制するよう求めた。
大統領とネタニヤフ首相は、共同記者会見で会談の詳細については明らかにしなかった。ネタニヤフ首相が「イランの核兵器はイスラエルだけでなく、地域や世界全体に深刻な危険をもたらす」とロシアに制裁の強化を訴えたものの、大統領は「会談は有益で、今後も関係を強化したい」と述べるに留まった。
プーチン大統領は26日、パレスチナ自治区のヨルダン川西岸ベツレヘムを訪問した。大統領は、「ロシア文化・言語センター」開設式典に臨み、その後にイエス・キリスト生誕の地とされる場所に建てられた「聖誕教会」を訪問した。大統領は、マフムード・アッバス自治政府大統領との会談、中東和平交渉の再開に向けた方策などについて協議した。
アッバス大統領はロシアからの援助に感謝を表明し、プーチン大統領はパレスチナ統一を回復することがイスラエルとの問題の早期解決を促すと語った。
ヨルダン王国ではプーチン大統領はアブダッラ2世国王と会談、正教会建設の土地が提供されたことに感謝の気持ちを示した。プーチン大統領はそれが両国間の特別な関係を示すものであると強調、ヨルダンとの関係に大きな関心を払い、経済分野においても協力に期待していると述べた。
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