ムラシュコ氏らはカイロ市内ホテルで一泊し、翌日クリスチャン放送局へと向かった。一行が向かったクリスチャン放送局はフェンスで覆われており、外部にクリスチャン放送局とわかる看板などの標となる物は一切飾られていなかったという。セキュリティ担当者のチェックを受けてから、放送局内に入室することができたという。
放送局内のラウンジで、コプト教で有名な聖職者と会う事ができ、その聖職者がちょうど放送の収録を終えたところで、その後記者のインタビューに応じたという。聖職者は、これから始まるインタビューのために祈り、インタビューが開始された。エジプト国内と放送局の事情により、聖職者の名前は公表することができないという。インタビューの中で、その聖職者は自身の生を完全にイエス・キリストに捧げていることを証しした。
コプト正教会はエジプト国内の主流派の宗派で、エジプト人口8100万人中10パーセントの割合を占めると見積もられている。コプト教徒はムバラク政権下にあって、散発的な迫害に直面してきたものの、ムバラク政権追放後、ムスリム同胞団およびイスラム教原理主義が議席の多数を占めることによるさらなるコプト教徒への迫害が懸念されている。
コプト教の聖職者は、エジプト国内キリスト教徒についてどんなことを知ってほしいかについて「コプト教会以外にもすべてのエジプト教会で大きなリバイバルが生じていることを知っていただきたいと思います。主が人々を用いておられます。教会に集う人々の勢いが諸教会指導者の集まり以上のものになっています」と伝えた。
インタビューを通して、聖職者はエジプト革命はキリスト教徒のリバイバルと共に生じていると信じていることを告げた。昨年ムバラク政権追放に関わる民衆の大規模な抗議デモが生じたことについて、聖職者は「民衆による革命が生じる前に、神様は私たちに『エジプトであるすばらしいことが生じるだろう』と語られておられました。私たちはエジプト国内それぞれの地域、宗派から集った聖職者ではありますが、主はそのすべての人たち通じて同じメッセージを伝えてこられました」と述べた。
その後、エジプト国内のカトリック、プロテスタントおよび福音主義教会指導者らが非公式に集い、祈祷会を開いたという。祈祷会に参加した聖職者らは皆、今年すばらしいことが生じることを直感したという。聖職者は「教会への爆破攻撃が生じると、聖職者たちはますます『素晴らしいことが生じる』という預言を強く信じるようになりました。教会に対する爆破攻撃が生じているのを通して、この爆破攻撃よりもさらに大きな事-大きな霊的な出来事が生じると思うようになりました」と伝えた。
昨年11月11日にはカイロ市内にある聖シモン教会で12時間に及ぶ祈祷会が開かれ、5万人以上ものキリスト教徒が教会に集ったという。これはキリスト教徒の集まりとしてはエジプト近代の歴史以降最大級の集まりであったという。祈祷会にはコプト正教会、カトリック、その他すべてのプロテスタント諸教会、福音主義諸教会が一同に集い、すべての信徒が心を合わせて共に祈ったという。聖職者はインタビューを通じ、「このような大多数のキリスト教徒がカイロ市内で一同に集まることは安全な行為とは言えないのですが、それにもかかわらず皆が一同に集ったという事はとても不思議な出来事でした」と述べた。
その日以来、エジプト国内諸教会指導者らの会議は継続して行われているという。現地訪問と聖職者へのインタビューを通じてムラシュコ氏は、「ムバラク政権以後のエジプト社会において、エジプト社会の革命と同時に、エジプト国内キリスト教徒の中でリバイバルが生じている様子を確認することができた」と伝えている。