エジプトを訪れたクリスチャンポスト記者アレックス・ムラシュコ氏は、エジプト国内少数派のコプト教徒を支援しているキリスト教団体の活動を取材するため現地に赴いた。カイロの現地取材を通して、同記者はエジプト革命の最中、ムスリム同胞団傘下の自由公正党が多数議席を占める中にあって、新たなエジプト社会における人々の暮らしぶりについて観察した。
ムラシュコ氏らはカイロ市内ホテルで一泊し、翌日クリスチャン放送局へと向かった。一行が向かったクリスチャン放送局はフェンスで覆われており、外部にクリスチャン放送局とわかる看板などの標となる物は一切飾られていなかったという。セキュリティ担当者のチェックを受けてから、放送局内に入室することができたという。
放送局内のラウンジで、コプト教で有名な聖職者と会う事ができ、その聖職者がちょうど放送の収録を終えたところで、その後記者のインタビューに応じたという。聖職者は、これから始まるインタビューのために祈り、インタビューが開始された。エジプト国内と放送局の事情により、聖職者の名前は公表することができないという。インタビューの中で、その聖職者は自身の生を完全にイエス・キリストに捧げていることを証しした。
コプト正教会はエジプト国内の主流派の宗派で、エジプト人口8100万人中10パーセントの割合を占めると見積もられている。コプト教徒はムバラク政権下にあって、散発的な迫害に直面してきたものの、ムバラク政権追放後、ムスリム同胞団およびイスラム教原理主義が議席の多数を占めることによるさらなるコプト教徒への迫害が懸念されている。
コプト教の聖職者は、エジプト国内キリスト教徒についてどんなことを知ってほしいかについて「コプト教会以外にもすべてのエジプト教会で大きなリバイバルが生じていることを知っていただきたいと思います。主が人々を用いておられます。教会に集う人々の勢いが諸教会指導者の集まり以上のものになっています」と伝えた。
インタビューを通して、聖職者はエジプト革命はキリスト教徒のリバイバルと共に生じていると信じていることを告げた。昨年ムバラク政権追放に関わる民衆の大規模な抗議デモが生じたことについて、聖職者は「民衆による革命が生じる前に、神様は私たちに『エジプトであるすばらしいことが生じるだろう』と語られておられました。私たちはエジプト国内それぞれの地域、宗派から集った聖職者ではありますが、主はそのすべての人たち通じて同じメッセージを伝えてこられました」と述べた。
その後、エジプト国内のカトリック、プロテスタントおよび福音主義教会指導者らが非公式に集い、祈祷会を開いたという。祈祷会に参加した聖職者らは皆、今年すばらしいことが生じることを直感したという。聖職者は「教会への爆破攻撃が生じると、聖職者たちはますます『素晴らしいことが生じる』という預言を強く信じるようになりました。教会に対する爆破攻撃が生じているのを通して、この爆破攻撃よりもさらに大きな事-大きな霊的な出来事が生じると思うようになりました」と伝えた。
昨年11月11日にはカイロ市内にある聖シモン教会で12時間に及ぶ祈祷会が開かれ、5万人以上ものキリスト教徒が教会に集ったという。これはキリスト教徒の集まりとしてはエジプト近代の歴史以降最大級の集まりであったという。祈祷会にはコプト正教会、カトリック、その他すべてのプロテスタント諸教会、福音主義諸教会が一同に集い、すべての信徒が心を合わせて共に祈ったという。聖職者はインタビューを通じ、「このような大多数のキリスト教徒がカイロ市内で一同に集まることは安全な行為とは言えないのですが、それにもかかわらず皆が一同に集ったという事はとても不思議な出来事でした」と述べた。
その日以来、エジプト国内諸教会指導者らの会議は継続して行われているという。現地訪問と聖職者へのインタビューを通じてムラシュコ氏は、「ムバラク政権以後のエジプト社会において、エジプト社会の革命と同時に、エジプト国内キリスト教徒の中でリバイバルが生じている様子を確認することができた」と伝えている。
クリスチャントゥデイからのお願い
皆様のおかげで、クリスチャントゥデイは月間30~40万ページビュー(閲覧数)と、日本で最も多くの方に読まれるキリスト教オンラインメディアとして成長することができました。この日々の活動を支え、より充実した報道を実現するため、月額1000円からのサポーターを募集しています。お申し込みいただいた方には、もれなく全員に聖句をあしらったオリジナルエコバッグをプレゼントします。お支払いはクレジット決済で可能です。クレジットカード以外のお支払い方法、サポーターについての詳細はこちらをご覧ください。
人気記事ランキング
-
日本人に寄り添う福音宣教の扉(216)365日24時間、充実した仕事の中 広田信也
-
世界最高齢者は116歳、サッカー好きのブラジル人修道女 長生きの秘訣は?
-
国家を高める正義 穂森幸一
-
ミャンマーのカトリック教会、大聖堂指定から2週間たたずに空爆直撃 使用不可能に
-
花嫁(20)おひなさま 星野ひかり
-
ウクライナ侵攻3年、欧州福音同盟が声明 現状「嘆く」が「希望」持ち続ける
-
若者の77%がイエスについて知りたいと思っている 米世論調査
-
神学者トマス・アクィナスの顔、法医学の手法で復元 死因にも新説
-
マイナスをプラスに変える力 菅野直基
-
ワールドミッションレポート(2月23日):ポーランド 険しい地を平らに(1)
-
「今、私はクリスチャンです」 ウィキペディア共同創設者がキリスト教に回心
-
神学者トマス・アクィナスの顔、法医学の手法で復元 死因にも新説
-
若者の77%がイエスについて知りたいと思っている 米世論調査
-
国内最高齢の女性映画監督、山田火砂子さん死去 日本人キリスト者の半生描いた作品多数
-
山梨英和大学、パワハラで学長ら2人を「降任」の懲戒処分
-
世界最高齢者は116歳、サッカー好きのブラジル人修道女 長生きの秘訣は?
-
ミャンマーのカトリック教会、大聖堂指定から2週間たたずに空爆直撃 使用不可能に
-
トランプ米大統領、「反キリスト教的偏見」根絶を目指すタスクフォースなど創設
-
花嫁(20)おひなさま 星野ひかり
-
保育の再発見(27)この30年をどう過ごしてきたか
-
「今、私はクリスチャンです」 ウィキペディア共同創設者がキリスト教に回心
-
「こんな悲惨なミャンマーを見たことはない」 政変から4年、ヤンゴン大司教が来日会見
-
国内最高齢の女性映画監督、山田火砂子さん死去 日本人キリスト者の半生描いた作品多数
-
トランプ米大統領、「反キリスト教的偏見」根絶を目指すタスクフォースなど創設
-
後藤健二さん没後10年、追悼イベントで長女が映像メッセージ 「誇りに思っている」
-
「苦しみ」と「苦しみ」の解決(1)「苦しみ」の原因 三谷和司
-
説教でトランプ米大統領に不法移民らへの「慈悲」求めた聖公会主教、説教の意図語る
-
山梨英和大学、パワハラで学長ら2人を「降任」の懲戒処分
-
神学者トマス・アクィナスの顔、法医学の手法で復元 死因にも新説
-
「新たなケア」と「限界意識のスピリチュアリティー」 宗教学者の島薗進氏が講演