エジプトの人権活動家らは、エジプト国内を取り巻く情勢に懸念を抱きつつも、エジプト国内のクリスチャンを含め、今後のエジプトが良い形で発展していくことに希望を抱いている。
サミット終了後、社会奉仕のためのコプト教福音主義組織代表のアンドレア・ザキ・ステファノス博士は8日、米クリスチャンポストに対し、「エジプト革命は『アラブの春』ではありますが、『クリスチャンの冬』ではないと信じています。クリスチャンにとって自由とは誰かからもらえるものではないということを知ることが重要です。自由と平等は、それを勝ち取るための闘いや運動を通してこそ得られるものなのです」と述べた。
サミットではムバラク政権追放後のエジプトの発展に焦点を当てて議論がなされた。ステファノス博士は「私たちはエジプトからここまで来て、米国の友とエジプトが受けている挑戦と希望について分かち合いました。私たちが抱いている希望、恐れ、夢そしてアイデアもそれぞれ分かちあいました」と述べた。
同サミットではエジプトの社会においてエジプト革命後どのような変化が生じ得るか、エジプトの発展にクリスチャンがどのような役割を果たしていくことができるかについても議論された。ムバラク政権が追放されて以来、暫定軍事政権が一時的に統治し、その後議会選挙が行われた。イスラム教の政党が議席の大多数を占めるようになり、世界中のクリスチャンにとってエジプトの先行きが懸念される状況となっている。
ステファノス博士は「民主主義は民主主義です。結果がどうであろうと、人々が投票して決めたのです。民主主義とは多数派や小数派ということだけが左右する社会を意味するのではありません。民主主義というのは、議会選挙を超えたより包括的な概念を意味します。民主主義は、社会的なつながり、社会的な団結のために存在しています」と述べた。
エジプト国内で暴力活動が高まる中、軍事政権およびイスラム教の政党が協力してエジプト憲法の策定作業に急いでいる状況にあるという。ステファノス博士はCPに対し、「エジプト憲法の策定には、議会多数派の考えだけでなく、他の分野からのインプットがなされることが必要です。現在エジプトで行われているすべての議論が、議会多数派あるいは少数派のどちらかだけで憲法を策定できるようなことはないことを物語っています。多数派だけが憲法策定作業に関わるならば、エジプトの将来において大きな禍根を残すことになるでしょう」と述べた。
米首都で開催されたWEAサミットには、他にカイロ福音神学校学長のアテフ・ジェンディ氏、CEOSS開発セクターディレクターのイブラヒム・マクラム・ガッタス氏、および異文化間対話フォーラムオペレーション主任のサミラ・ロウカ・ダニエル氏も参加した。