7日から8日にかけて米首都ワシントンD.C.で、世界福音同盟(WEA)がエジプトのキリスト教指導者らの要請を受けて開催したサミットで、「エジプト革命がクリスチャンの冬ではない」ことが伝えられた。
エジプトの人権活動家らは、エジプト国内を取り巻く情勢に懸念を抱きつつも、エジプト国内のクリスチャンを含め、今後のエジプトが良い形で発展していくことに希望を抱いている。
サミット終了後、社会奉仕のためのコプト教福音主義組織代表のアンドレア・ザキ・ステファノス博士は8日、米クリスチャンポストに対し、「エジプト革命は『アラブの春』ではありますが、『クリスチャンの冬』ではないと信じています。クリスチャンにとって自由とは誰かからもらえるものではないということを知ることが重要です。自由と平等は、それを勝ち取るための闘いや運動を通してこそ得られるものなのです」と述べた。
サミットではムバラク政権追放後のエジプトの発展に焦点を当てて議論がなされた。ステファノス博士は「私たちはエジプトからここまで来て、米国の友とエジプトが受けている挑戦と希望について分かち合いました。私たちが抱いている希望、恐れ、夢そしてアイデアもそれぞれ分かちあいました」と述べた。
同サミットではエジプトの社会においてエジプト革命後どのような変化が生じ得るか、エジプトの発展にクリスチャンがどのような役割を果たしていくことができるかについても議論された。ムバラク政権が追放されて以来、暫定軍事政権が一時的に統治し、その後議会選挙が行われた。イスラム教の政党が議席の大多数を占めるようになり、世界中のクリスチャンにとってエジプトの先行きが懸念される状況となっている。
ステファノス博士は「民主主義は民主主義です。結果がどうであろうと、人々が投票して決めたのです。民主主義とは多数派や小数派ということだけが左右する社会を意味するのではありません。民主主義というのは、議会選挙を超えたより包括的な概念を意味します。民主主義は、社会的なつながり、社会的な団結のために存在しています」と述べた。
エジプト国内で暴力活動が高まる中、軍事政権およびイスラム教の政党が協力してエジプト憲法の策定作業に急いでいる状況にあるという。ステファノス博士はCPに対し、「エジプト憲法の策定には、議会多数派の考えだけでなく、他の分野からのインプットがなされることが必要です。現在エジプトで行われているすべての議論が、議会多数派あるいは少数派のどちらかだけで憲法を策定できるようなことはないことを物語っています。多数派だけが憲法策定作業に関わるならば、エジプトの将来において大きな禍根を残すことになるでしょう」と述べた。
米首都で開催されたWEAサミットには、他にカイロ福音神学校学長のアテフ・ジェンディ氏、CEOSS開発セクターディレクターのイブラヒム・マクラム・ガッタス氏、および異文化間対話フォーラムオペレーション主任のサミラ・ロウカ・ダニエル氏も参加した。
クリスチャントゥデイからのお願い
皆様のおかげで、クリスチャントゥデイは月間30~40万ページビュー(閲覧数)と、日本で最も多くの方に読まれるキリスト教オンラインメディアとして成長することができました。この日々の活動を支え、より充実した報道を実現するため、月額1000円からのサポーターを募集しています。お申し込みいただいた方には、もれなく全員に聖句をあしらったオリジナルエコバッグをプレゼントします。お支払いはクレジット決済で可能です。クレジットカード以外のお支払い方法、サポーターについての詳細はこちらをご覧ください。
人気記事ランキング
-
次期ローマ教皇の有力候補4人
-
ローマ教皇フランシスコの死に相次いで哀悼のコメント キリスト教指導者7人の反応
-
教皇フランシスコの献花台や記帳所、東京カテドラル聖マリア大聖堂などに設置
-
2026年に東京のスタジアムで伝道集会開催へ 「過去に見たことのないリバイバルを」
-
人生をまるまる楽しもう! 菅野直基
-
「苦しみ」と「苦しみ」の解決(4)神が人を引き寄せてくださる(後半) 三谷和司
-
シリア語の世界(22)辞書2・ヨハネ黙示録の賛美歌5―11章15節― 川口一彦
-
「苦しみ」と「苦しみ」の解決(4)神が人を引き寄せてくださる(前半) 三谷和司
-
コヘレトの言葉(伝道者の書)を読む(2)太陽の下の世界 臼田宣弘
-
【イースターメッセージ】陰府(よみ)帰りの福音 金井望
-
2026年に東京のスタジアムで伝道集会開催へ 「過去に見たことのないリバイバルを」
-
教皇フランシスコの献花台や記帳所、東京カテドラル聖マリア大聖堂などに設置
-
ローマ教皇フランシスコ死去、88歳
-
【イースターメッセージ】陰府(よみ)帰りの福音 金井望
-
次期ローマ教皇の有力候補4人
-
ローマ教皇フランシスコの死に相次いで哀悼のコメント キリスト教指導者7人の反応
-
聖職者への唾吐き、教会施設への攻撃など イスラエルで反キリスト教事件が増加
-
映画「パッション」続編、今年8月にもイタリアで撮影開始へ
-
英国で「静かなリバイバル」 教会の礼拝出席率が増加、Z世代の男性で顕著
-
「苦しみ」と「苦しみ」の解決(4)神が人を引き寄せてくださる(後半) 三谷和司
-
2026年に東京のスタジアムで伝道集会開催へ 「過去に見たことのないリバイバルを」
-
映画「パッション」続編、今年8月にもイタリアで撮影開始へ
-
救世軍、ブース記念病院を事業譲渡 7月から「タムス杉並病院」に
-
教皇フランシスコの献花台や記帳所、東京カテドラル聖マリア大聖堂などに設置
-
ローマ教皇フランシスコ死去、88歳
-
「山田火砂子監督、さようなら」 教会でお別れの会、親交あった俳優らが思い出語る
-
英国で「静かなリバイバル」 教会の礼拝出席率が増加、Z世代の男性で顕著
-
【イースターメッセージ】陰府(よみ)帰りの福音 金井望
-
「カトリックジャパンニュース」がスタート カトリック新聞は休刊
-
聖職者への唾吐き、教会施設への攻撃など イスラエルで反キリスト教事件が増加