はっつぁんとかおる姫
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はっつぁんとかおる姫(最終回)真っ白な世界 星野ひかり
光のまぶしさに目を覚ましました。まぶたの裏が焼けつくような、強烈な光でした。太陽の光が雪に反射して、真夏のようにまぶしい朝が来ておりました。寝ぼけ眼のまま、コートを羽織り、ポケットにお財布を入れ、長靴を履いて外に出ました。
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はっつぁんとかおる姫(5)長い夜 星野ひかり
かおるは、通帳とにらめっこをしていました。はっつぁんのために、暖かいダウンジャケットを買ってあげようと思ったのです。しかし、生活費を切り詰めても、ダウンジャケットを買えるだけのお金は見当たりません。カレンダーを見上げてため息をつきます。
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はっつぁんとかおる姫(4)戒め 星野ひかり
それから、幾日かたった真夜中のことでした。はっつぁんは、涙を流して「きよしこのよる」を口ずさんでおりました。公衆トイレの外灯で、はっつぁんは何日もかけて聖書を読みました。
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はっつぁんとかおる姫(3)自然の決まり 星野ひかり
朝起きると、すぐに三角巾で頭を縛りました。戸棚からホールコーンを取り出して、ミキサーにかけます。ミルクを少しずつ注いでは、ミキサーを動かしました。お鍋いっぱいに仕上がると、カップ付きの大きな水筒に流し込みました。
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はっつぁんとかおる姫(2)大切なプレゼント 星野ひかり
今日は特別な日になる予感がするのです。なぜなら今日は戸根先生に誘われて、ホームレスの方たちへの越冬炊き出しのボランティアに参加するのですから。隣町の教会の企画に戸根先生と奥様と、教会員の先輩たちと一緒に加わります。
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はっつぁんとかおる姫(1)知っている景色 星野ひかり
朝が来ると、胸のしこりがうずきます。鉛のような固いしこりは鈍い痛みを伴って、体をぐんと重くします。かおるの胸のしこりの正体、それは「憎しみ」です。いっそ体を焼かれたほうが楽だ。そう思うほどにそのしこりは熱く焼けただれたように痛みます。
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