27日にイタリアのアッシジで毎年ローマ教皇の招集によって開催される「世界平和の集い」において、世界教会協議会(WCC)のオラフ・フィクセ・トゥヴェイト総幹事は、「十字架は十字軍のための十字架ではなく、神様の愛が全ての人を包み込む象徴としてのものです。トゥヴェイト博士は平和を追い求めて変革を起こそうとしている世界中の若者たちの働きを称賛し、信仰の指導者らが他者を受容するための対話に積極的に関与していくように呼びかけた。
今年27日の「世界平和の集い」のテーマは「真実の巡礼者、平和の巡礼者」となり、さまざまな宗教的背景を抱える宗教指導者らが一同に集った。「世界平和の集い」は、前教皇ヨハネ・パウロ2世によって1986年10月27日に始められ、以後25年間継続して行われている。
トゥヴェイト博士は、カトリック教会でイタリアの守護聖人として知られるアッシジのフランチェスコのように、若者たちが「変革者」としての役割を果たしていくことの重要性を強調した。トゥヴェイト博士は「フランチェスコは若い時に神に人生のすべてを捧げた青年でした。彼の善なるものへの情熱、平和を求める意欲は、信仰をもつことの大切さや青年の勇気を象徴しています。世界平和実現のためには世界中の若者たちの認識や貢献が必要です。世界中で多くの青年たちが失業に苦しんでおり、平和を妨げる問題となっています。若者たちが必要な変革を行って行くための勇気とビジョンを必要としています。今日世界中の多くの国々で若者たちの手による民主化や平和構築が行われています」と述べた。
トゥヴェイト博士はWCCの349の加盟諸教会を代表し、すべての宗教が「安全な空間で」対話を行い、摩擦が生じていることを包み隠さず実情を明らかにして話し合っていくことが大切であるとの見解を示し、「人々は利害関係の衝突によって苦しんでいます。エルサレムでの摩擦も同様です。ユダヤ教徒、キリスト教徒、そしてイスラム教徒にとって聖地であるエルサレムは私たちが共に神を礼拝する美しい場所となるために長らく願ってきた象徴と言える場所です。しかし同時にもっとも摩擦が生じやすい場所のひとつでもあります。宗教指導者としてエルサレムに住む人々の上に公正と平和が成されるために祈りましょう」と述べた。
トゥヴェイト博士はWCC異宗教間対話・協力プログラム新エグゼクティブに任命されたクレア・アモス氏と共に「世界平和の集い」に参加した。アモス氏は「この集いが巡礼のように見られていることはとても良いことです。私たちはここに巡礼者としての謙遜の精神をもって共に集っています。そしてすべての巡礼者たちと同様に、私たちはこの旅をもって変革されるとの希望を抱いてやって来ました。これから私たちの日常に戻っても、この集いに参加したことで得られた新たにされたビジョンと決意をもって、真実と平和のために働くことができるようになるでしょう」と述べた。
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