南アフリカの主要キリスト教4教派が、昨年11月に同国で合法とされた同性愛者の事実上の婚姻である「シビル・ユニオン(Civil Union)」に対してその挙式を執り行わないとしていることが、南アフリカの日刊紙ケープ・アーガス(17日付け)の報道でわかった。
同紙によれば、同国の聖公会、ローマ・カトリック教会、バプテスト系教会、長老派系教会のいずれの教派も、聖職者が同性愛者による結合に対して挙式を行わない立場を明確にしているという。
一方、メソジスト系教会の一部では、シビル・ユニオンの挙式を行うとする聖職者も出ている。
南アフリカ聖公会のデイビット・ビーティッジ主教は、「我々は政府に対し、我々がシビル・ユニオンを祝福できる立場にないことを説明し、これまでに政府、キリスト教会内でも我々の方針を明らかにしてきた」と述べ、同性愛に対する方針に変わりはないとの意向を示した。
また、ケープタウン・バプテスト教会のブレイン・ウッド師は、「教会では、背景や経歴に関係なくすべての人が歓迎される。しかしながら、我々は、同性愛の結婚に関しては認めることができない。なぜなら、神は生まれつきの男性と生まれつきの女性の間で、異性間の関係として結婚を認められたからだ」と、結婚があくまで異性間のものであることを主張した。
その他、国内の多くの教会指導者から、「聖書に反する」としてシビル・ユニオン禁止の声があがっている。
南アフリカは昨年、アフリカ大陸で初めて、世界では5番目に同性愛の結合を合法とした。これに対し、国内外のキリスト教団体が「結婚の神聖さを損なう法律だ」と強く非難してきた。ジンバブエ、ケニヤ、ウガンダ、ナイジェリア、タンザニア、ガーナなど、アフリカの大部分の国が同性愛者の結合を違法としている。