第2次世界大戦中に旧日本軍の捕虜となり、飢餓や病で獄死した英軍極東捕虜と遺族の心の傷を癒して日英の和解をめざそうと、元捕虜を連れて日本を巡回する毎年恒例のツアー「心の癒しと和解の旅」が今年も行われ、元日本軍捕虜とその遺族ら18人が訪日した。
一行は15日、東京・練馬区の聖書キリスト教会東京教会(尾山令仁主任牧師)の礼拝に出席。尾山牧師が「和解の喜び」(エペソ2:14−16)と題して説教した。
尾山牧師は、イエス・キリストの十字架を通して人間の持つすべての敵意が除かれたこと、他人の罪を許すこと、恨みを抱いている人に許しを乞うことを神が求めている、と伝えた。
説教の後、英国からの元日本軍捕虜や捕虜遺族らが教壇の前で一列に座り、礼拝参加者が訪問者一人ひとりに謝罪のことばを述べた。謝罪する側、謝罪される側双方の目から、数十年続いた憎しみや罪責感から完全に解放された、真の平安と喜びによる和解の涙があふれていた。
14年間で約400人以上の元英軍兵士や捕虜遺族を日本に招待し、和解の働きを続けてきたこのツアーも、今回が最後となった。資金難や参加者の高齢化が主な理由だが、関係者は今後も個人レベルの渡航などで働きを継承していきたいと話している。