「関西超教派クリスチャン戦争罪責告白者会」(代表:小島十治牧師)は15日、終戦記念日を記念する平和祈念の集いを兵庫県の芦屋川教会(日本イエス・キリスト教団)で開催した。元日本基督教団議長の山田滋師、現職領事の金庚寿氏が講演。平和問題に関心を持つおよそ60人の教会関係者が集った。
この集会は毎年、「関西超教派クリスチャン戦争罪責告白者会」が主催している。代表の小島十治牧師は、終戦50周年を迎えた95年、数々のキリスト教団が戦争責任告白を表明する中、韓国を訪問。36年におよぶ朝鮮の植民地統治で犯した罪の重さをもう一度強く感じた小島師は、翌年、韓国独立運動記念日の3月1日に有志を集めて同会を立ち上げた。
今年の集会では、大阪の大韓民国総領事館の現職領事でクリスチャンの金庚寿氏が講演。現職外交官の立場から、日韓をめぐる様々な歴史問題に対する韓国側の立場を冷静に話した。今後の展望について同氏は、「両国の平和の架け橋となるものはイエスによる平和の力以外はない」と、日韓をめぐる問題にクリスチャンがより関心をもって、主体的に行動するよう呼びかけた。
また、元日本基督教団議長の山田滋牧師も教壇に立ち、戦時中に教会が犯した罪を振り返りながら、現職首相の靖国参拝に見られるような戦争問題に、「キリスト者として、旗印をしっかりと掲げて祈って進みましょう」と訴えた。
聖書には、「すべての人のために、また王とすべての高い地位にある人たちのために願い、祈り、とりなし、感謝がささげられるようにしなさい」(テモテ?2:1)とある。小島師は、「キリスト者が信仰に目覚めて、国と指導者のために、祈りの手をしっかりと挙げ、そこから導かれる宣教の行為を実践したい」と語った。
また小島師は、「イエスを主とする告白が実践される中に、自然と平和に対する重荷、国家、政治に対する祈りと行動が出てくる」とし、「特に若者がこれらの問題について敏感になり、隣人のために関心をもって祈り、信仰から湧き上がる隣人愛に動かされて立ち上がってほしい」と、これからの日本を創る若いクリスチャンたちへの希望を語った。