「子どもたちの望むものは/血に染まった銃剣でなく/貧しさのない豊かな世界/分かち合えるみんなの世界」
会場に集まったおよそ110人の日本人の前で、「Mapayapang Daigdig」(フィリピン語、「平和な世界」の意)を日本語で歌うのはフィリピン・ミンダナオ島出身の文化活動家アリソン・オパオンさん。10日午後6時から、特定非営利活動法人(NPO法人)「チャイルド・ファンド・ジャパン」(深町正信理事長、以下チャイルド・ファンド)と企業5社が主催するチャリティーコンサートが都内で開かれ、企業の社員有志らによる演奏や、フィリピン出身のNGO活動家アガリン・サラ・ナガセさん、アリソン・オパオンさんの2人による歌や踊りのパフォーマンスが、集まった会衆を楽しませた。
このチャリティーコンサートは、現在開催されている「チャリティー古本市2006」(チャイルド・ファンドほか、企業5社主催)に合わせて行われたもの。古本の売上げや、コンサートで集まった募金は、チャイルド・ファンドが取り組んでいるフィリピンの子どもたちと家族・地域への自立支援活動のために活用される。
チャイルド・ファンドは、約4千人のスポンサーと1500人のプロジェクト・サポーターによって支えられ、キリスト教精神を基盤に活動する国際協力NGO。約30年にわたって、フィリピンを中心に、アジアやアフリカ諸国の子どもたちの健やかな成長と地域の自立を目指して活動している。
コンサートの中でオパオンさんは、極度の貧困で苦しむフィリピンの子どもたちのために募金を呼びかけながら、フィリピンで親しまれてきた歌や、平和を呼びかける歌など6曲を熱唱した。
「ボールで遊ぼう/争いのない平和な世界/けもののように振舞わないで/憎しみあわず/人間らしく」 今も内戦が続く苦しい国内情勢の中、戦乱と貧困で普通に遊ぶこともできないフィリピンの子どもたちの生活に平和が実現されることを願う、オパオンさんの熱い思いが会衆の心を打った。