6月26日から7月7日まで米ニューヨークで国連小型武器会議が開催された。同会議でアフリカ、ラテン・アメリカ、EUの国々が小型武器の移転に関する規制の強化を求めたがイスラエル、イラン、インド、パキスタン、キューバが強固に反対した。その結果、合意はなされなかった。日本政府は明確な意見を示さなかった。
武器の規制と人間の安全保障を求めて2003年から世界的なキャンペーンをしている「コントロール・アームズ」は160カ国からの100万人以上の「ミリオン・フェイス」顔署名を集めるなど、小型武器移転に関する規制強化を求めた。この署名は会議初日の26日にコフィ・アナン国連事務総長に提出された。
同会議の結果を受けたコントロール・アームズでは世界を救うことになるかもしれない行動を起こす機会を潰してしまったとして怒りの声を上げた。
同団体が発表した声明文中に、「世界がほんの一握りの国々によって人質にとられたようなものです。現在推定値を使うと、この2週間の会議の間に、1万2千人の人が小型武器で命を落としたことになります。これは、彼ら被害者たちへの裏切りです」とオックスファム・インターナショナルの「コントロール・アームズ」キャンペーン・チームのマネージャーであるアナ・マクドナルド氏は述べた。
現在、武器による死亡者は年間50万人にも上る。1分に1人の命が武器に奪われている。このように武器による被害が多大にでている原因とは何か。近年、国際法は、武器の使用に関して厳格な規制を設けいている。しかし、武力紛争や軍や警察、一般人によって不正に武器が使われている。コントロール・アームズでは違法行為の改善を幅広く求めているのと同時に、より根本的な解決こそは流通にあるという見方を示している。それは、武器があまりにも安易に流出されているということだ。武器が世界中で取引、売買され続けている現状に規制を設ける条約は存在しない。この現状の解決を訴え、コントロール・アームズでは「武器コントロール」を求めるキャンペーンを開始した。世界中から「武器を規制したい。人が殺されるのを止めたい」という思いが集まった。
アムネスティ・インターナショナル日本、InterBandなどを含む「コントロール・アームズ」日本キャンペーン参加5団体は日本政府の演説の中で移転規制に重きをおき、公式な演説の中で初めて武器貿易条約に言及したことなどについては評価した。しかし、日本政府は国際法上の国家の義務に基づいた武器移転規制を目指す武器貿易条約のイニシアチブを「指示する」ことを明確に示すべきであるなど、幾つかの問題点を示した。
また、日本キャンペーン5団体は、日本政府の小型武器非合法取引撲滅活動の更なる活動、現場での取り組みと国際規範や制度の強化・普遍化という車の両輪において国際社会で重要かつ実質的な貢献をすることを期待している。日本に同問題に対する関心と行動が求められる。