【パリ】フランスの公立校では、宗教的な装飾品や衣類を身につけることが全面的に禁止される可能性が出てきた。
フランスでは、イスラム教徒の女子生徒や学生が公立校でスカーフを着用することを法律で禁止しようという案が11日、大統領諮問委員会からシラク大統領に提出された。スカーフ着用は「公教育の場に宗教を持ち込むことは好ましくない」とする教育法に反するとして社会問題化していた。この法案が可決されると、キリスト教の十字架やユダヤ教の帽子ヤムルカも禁じられると見られている。大統領は17日、最終方針を発表する予定。
スカーフ着用可否について、政府内には「規則や通達レベルで十分」「法律の強制は解決といえない」などと、立法化への反対や慎重論があるが、ある程度の制限は設ける意向が見受けられる。
フランスは先月、五旬節(聖霊降臨祭)後の月曜日がこれまで祝日であったのを、国内教会らの反対の中廃止を決定ばかりで、現在は議会の承認を待つのみとなっている。同月曜日に関しては、宗教的な祝日ではないとして特に問題視していないプロテスタント教会と、多くの祝日の中で同日を廃止候補とした点で説明を求めるローマ・カトリック教会とに分かれた。いずれにせよ、同国内ではこれまで生活の一部であった宗教的文化や風習のあり方に疑
問の声が上がるようになり、政府側もそれに賛同する傾向があるようだ。