各国の宗教の自由を調査する米連邦調査団・国際宗教自由委員会は、最近中国政府が委員会の訪中に対して制限を設けたことについて、「受け入れることができない」と中国訪問を取り消したと報告した。
ニューヨークタイムズ8日の報道によれば同委員会は、最初6ケ月間外交的交渉を課題にした中国訪問を8月第2週に計画していたが、これは無期限に延期された。
委員会は首都ワシントンでの声明で、中国側が委員会の国内滞在に対して11時間の制限を加え、さらに香港訪問も禁止したことを明らかにした。香港は1997年イギリスか中国に返還されている。
「このような中国政府の行動は香港を通じる外交接触までも統制しているとも取れ、一つの国家だが香港と二つのシステムを取り揃えていくという既存の中国方針とは全く異なる態度」と責める同委員会会長マイケル・K氏。「香港返還から6年目となった今、香港の自治権は深刻な危機を迎えている」と訴えた。
同委員会はまた、中国政府は宗教政策に関する共産党関係者らとの話し合いの議事録を公開せず、また礼拝施設訪問記録や非政府宗教リーダーたちとの対話に関しても明確な回答を避けたと強調した。
報告の中で委員会は「中国政府のこのような一方的な態度は極めて遺憾であり、委員会は中国政府の態度に対して断固これを認めず、これに従って訪問を取り消した」と経緯を明らかにした。