読売新聞社の実施した「全国青少年アンケート調査」によると,中学生以上の未成年者5000人のうち,4人に3人が日本の将来に対して「暗い」と思う一方,同じく75%が,「今の日本は努力すれば,だれでも成功できる社会ではない」と感じていることが分かった。
読売新聞社は,昨年12月にアンケート用紙を郵送,回答記入後,返送してもらう方式で行い,回収率は59%だった。質問の内容は主に「社会観・人生観」や「日常生活」に関するものを主体とした。
「日の丸」「君が代」に関する質問に対しては43%が「関心がない」と答え,「政治家は信頼できない」と回答を選んだ人は全体の90%に達した。日本の将来に対する期待についての質問には,24%が「明るい」と答え,「暗い」と答えたのは75%。昨年10月に同社が実施した全国世論調査(対象は20歳以上,ただし面接方式)と比較すると,日本の先行きに対する不安を抱いている人の割合は,青少年の方が成人より13ポイントも多かった。
このほか,「日本国民であることを誇りに思う」という青少年は65%,世論調査の成人の数値を17ポイント下回り,「日の丸」「君が代」に関しては,共に「愛着を感じる」が17%,「日の丸」には愛着を感じるが「君が代」には感じないが17%,「君が代」には愛着を感じるが「日の丸」には感じないが4%,どちらにも愛着を感じない人は18%,「全く関心がない」が43%だった。
日本が外国に侵略された際については,「武器を持って抵抗する」13%,「武器以外の方法で抵抗する」29%に対し,「安全な場所へ逃げる」が44%,「降参する」が12%。
どんな人生を送りたいと思うか聞いたところ,多い順に,「好きな仕事につく」69%,「幸せな家庭を築く」62%,「趣味などを楽しむ」54%などが挙がり,個人や家庭を大事にする反面,社会や国家に対する責任・使命感,革新的態度はほとんど見られなかった。
読売新聞ではこれらの結果について,青少年たちの意識は,全体に悲観的で,内向き志向が目立っていると分析した。バブル崩壊後の大人社会における消極的志向の影響を大きく受けているようである。