財団法人日本聖書協会が毎年選ぶ聖書事業功労者賞の表彰式が7日、東京都中央区の日本基督教団銀座教会であり、「ギュツラフ版ヨハネによる福音書」(現代訳と解説、2006年、日本聖書協会)の浜島敏氏(四国学院大名誉教授)が表彰された。
浜島氏には同協会の大宮溥理事長から表彰状などが手渡された。
浜島氏があいさつで「功労賞は私にとってノーベル賞」と話すと、同氏の功績を祝福する温かい拍手が起こった。浜島氏は、日本語訳としては最も古い写本で1591年にイエズス会のバッレート神父が訳したローマ字の聖書「バレト写本」を今月中に発表することを明らかにしたほか、1850年の庄蔵写本の復刻版など今後ラインナップを拡大する計画があると話した。
浜島氏は1937年、愛知県出身。明治学院大文学部を卒業後、同大文学研究科で英語学、特に聖書翻訳を学んだ。1968年四国学院大に赴任し、2004年に同大を定年退職。現在、英国聖書協会、大英図書館、ロンドン大学、ヘブライ大学等で在外研究を行っている。
1957年にバプテスマを受け、その後日本バプテスト・バイブル・フェローシップ幕張教会に所属。1970年より善通寺バプテスト教会会員。聖書収集をしており、98年に自身のコレクション約500点の「聖書展示会」をオークラ・ホテル丸亀(香川県丸亀市)で開催するなど、聖書をこころから愛する姿勢が長年の著名な研究につながった。
著書に「主教訳聖書1568」(復刻および解説出版、1998、エルビス)、「神さまからの手紙」、「聖書に命をかけた人々」(ともに2001年、ヨルダン社)、「英語聖書翻訳史」(四国学院研究叢書、No3、2003年、創言社)、「ギュツラフ訳ヨハネによる福音書」等がある。