東京・新宿区にある淀橋教会(峯野龍弘牧師)の夏の大伝道集会「サマー・イブニング・クルセード」が1日、3日目を迎えた。同教会主管牧師、峯野龍弘師が「絶望の中からの大願成就」と題して力強く聖書の御言葉を伝えた。同集会では連夜、洗礼決心者が次々と起こされている。110人が参加し、これで3日間の参加者数は延べ約350人となった。
聖書のメッセージの前には、ウェスレアン・ホーリネス神学院(黒木安信院長、東京・台東区)に通う山本桂子神学生が、自身が信仰を持つようになるまでの神の導きと、与えられた大きな恵みを証し。まさに、今集会の全体テーマである「神の愛による人生の新創造」にふさわしい、キリストによって新しく変えられた人生のすばらしさを語った。
当時まだ信仰がなかった山本さんは、家庭が崩壊するという、まさに人生の逆境に遭遇。ただ絶望し、やることなすこと、すべてがうまくいかなくなっていた。そんな中、大学で乗馬をしていた山本さんに更なる試練が襲い掛かった。なんと、乗馬中に頭から転落。脳内出血で生死をさまよった。
クリスチャンである母は以前、家庭が崩壊し、実家に帰っていた山本さんを礼拝に参加させていた。そのときに与えられていた聖書の御言葉が、まさに人生の危機を迎えた山本さんの心を動かしていた。後遺症で体が動かなくなった山本さんは、以前の神に不従順であった姿、信仰がなかった姿を深く悔い改めた。そして、もし全快できれば、残りの人生をすべて神にささげることを決心した。
山本さんはその後奇跡的に回復。現在は、淀橋教会のオルガニスト、また神学生として、以前とはまったく異なる、新しい人生を送っている。「イエスに任せ、人生を回復した恵み」を会衆の前で大胆に証しする山本さんの顔には、キリストにある新しい人生の喜びにあふれた、満面の笑みがこぼれていた。
証しの後、峯野師は、ルカによる福音書5章17〜26節から、「主イエスの救いと抜本的癒し」と題して説教した。
札幌農学校に赴任したウィリアム・スミス・クラークは、周囲の反対を押し切り、これからの日本の未来を担う若者に聖書を配布し、キリストの精神を教えた。同学校一期生との別れの際に彼が発した言葉「Boys Be Ambitious(青年よ、大志をいだけ)」はよく知られている。
峯野師は、「『キリストにある』大志は必ず成就する」と語り、「キリストにある」ことの意味を説いた。
「キリストにあって」人生を送るとは、聖書の御言葉の真理に適った道に従い、人生を常にそれに合わせて軌道修正していくことである。「キリストの生き様に学びながら、『私の人生はこの道に適っているのか』といつも点検すること」が大切であると語った。
自己中心の生き方、欲望や保身から出たことをやめ、他者の祝福のために仕える「互いに愛し合う」人生を送る人がいれば、「愛」そのものである神は、その人の人生に深く介入し、不可能を可能にしてくださる。どんな逆境の中にあっても、すでに聖書66巻の中に明らかに示されている神の言葉を信じて受け入れ、悔い改めるなら、その逆境を克服する、不可能を可能にする力が注がれると説いた。
本文で、夜通し漁をしても何も取れなかった海に、網を降ろすよう主イエスに命じられた弟子ペテロは、「お言葉ですから、網を降ろしてみましょう」と語り、自分の考えを捨てて、ただ主の御言葉に従順した。自分の考えや知恵ではどうしてもできないが、ペテロが「イエスの御言葉に学ぼうと、神を求める心」が生じたとき、不可能が可能になった。それまで何も収穫がなかったペテロの網には、 網が破れそうになるほどにおびただしい魚がかかった。
「みなさんは、これまでキリストにあって歩まれましたか?」「やってみてください!」と会衆に信仰の決心を迫った。
説教者の呼びかけに、10数人の決心者は席から立ち上がり、前に出てともに祈った。集会後もカウンセラーが一人ひとりに付き添い、信仰の決心がより確かなものとなるよう彼らを導いた。