イラクキリスト教平和活動家人質4人中一人の米国人人質が先週木曜日夜遺体で発見されたことから、イギリスの教授ノルマン・ケンバー氏の安否への懸念が高まっている。
米国務省による金曜日の発表によると、キリスト教平和活動家でイラクで人質となった米国人トム・フォックス 氏が死体で発見されたという。
米国人人質の遺体発見で英国人教授ノルマン・ケンバー氏含む3人の人質の安否に対する懸念が急激に高まった。
米国国務省の広報官ノエル・クレイ氏はワシントンD.C.にて「FBIはトム・フォックス氏の遺体を確認しました。フォックス氏の家族もその知らせを受けました。我々はご遺族に心からお悔やみを申し上げます」と述べた。
イラク警官は先週土曜日にシカゴに拠点を置くキリスト教平和活動家の一員としてバグダッドで平和活動を行っていたアメリカ人人質のトム・フォックス氏は銃殺される前に拷問を受け、バグダッド鉄道線路の片側に捨てられていたという。
あるイラク警官は、「彼の手は後ろに結ばれており、銃弾で受けた傷跡が見られた。拷問を受けた跡のような傷跡が見られた」とロイター通信に伝えたという。
クレイ氏は、米国政府は「無条件的に全ての人質を解放する」ように呼びかけており、キリスト教平和活動チームもその呼びかけを行っていたが、フォックス氏の死によって鋭く我々の心を突き刺した、と悲痛の意を述べた。
54歳のホックス氏に対する安否に対しては、2月28日付けの公開映像にケンバー氏、ジム・ロニー氏、ハーミート・スーデン氏3名だけしか映されていなかったことから懸念が高まっていた。
キリスト教平和活動チームの共同理事長ダグ・プリチャード博士は、再び声明文を発表し、ケンバー氏ら残りの人質の安全な解放を呼び求めた。
その声明文では、「私たちは義の魂に結ばれ、すべての抑圧に抵抗し、全ての人の中に神が存在するという強い認識をもっていたトム・フォックス氏の死に嘆き悲しんでいます。私たちはあらためてハーミート・スーデン氏、ジム・ロニー氏、ノルマン・ケンバー氏の安全な帰還を懇願します。私たちはノルマン・ケンバー、ハーミート・スーデン、ジム・ロニー氏が安全に帰還できるという希望をもち続けます」と述べた。
米国大使館広報官のエリザベス・コルトン氏はホックス氏の遺体は米国に返送されているところであることを述べた。
米外務大臣ジャック・ストロー氏はオーストリア・ザルツブルグでEU外務大臣らと土曜日会見し、「私たちは今回の米国人人質殺害の知らせに非常に悲しんでいます。私たちの思いと祈りはフォックス氏の家族と友人と共にあります。このことで明らかに他の人質に対する不安も高まることになりました。今私たちはケンバー氏のご家族に接触をとっています」と深い懸念の意を述べた。
フォックス氏の死を受けて、イラク人指導者らに対し米国大統領ジョージ・W・ブッシュ氏はこれ以上の民族紛争による恐怖が継続するのを避けるためにもいち早く国家統一政府を形成するようにと強く要請したという。