米国長老教会で最初の同性愛の牧師となった現在63歳のジェーン・アダムズ・シュパー牧師が教会で同性愛のカップルの結婚式を行ったとして長老教会議会で教会の原則に違反すると審議にかけられていたが、3日金曜日にシュパー氏の同性愛のカップルの結婚式挙行に対し容認するという結論が発表された。
レッドウッズ長老会司法委員会においてシュパー牧師は「同性愛者の結婚式を良心の許容範囲内で執り行った」という判決に達したという。
この委員会では長老教会法によると結婚は男と女が一つになることであると定めてあるが、これは「ある一つの結婚の定義であって命令ではない」とし、シュパー牧師が2004年から2005年にかけて執り行った二組の同性愛の女性カップルの結婚式は教会のあり方に反するものではないという判定を下したという。
シュパー牧師は同性愛者の権利を主張する活動家で彼女の所属宣教会からの除籍警告などの制裁措置に直面してきた。1992年、彼女は同性愛者を容認することから、ニューヨーク、ロチェスター教区の教会で牧師として奉仕するのを禁止された。
この同性愛者の挙式に関する裁決を行う間、彼女は二組の同性愛の女性カップルの結婚式を挙式し、彼女の30年にも及ぶ牧師生活のうちで数百組もの同性愛者のカップルの挙式を執り行ってきたと告白したという。彼女はこのような祝い事をこれらのカップルが、『結婚式』と呼びたいと望む場合、彼らの希望にあわせて結婚式と呼び、式を執り行ったという。しかしこれらの『結婚式』のどれもが法的には承認されていない。
サンフランシスコ・クロニクル紙によると、シュパー牧師の弁護人のサラ・テイラー氏は今回の判決は革新的なことであるとし、
「私は絶対に今回の判決は歴史的決断であると思います。長老教会のようなキリスト教一主流派で現役の牧師が同性愛者の結婚式を挙式する権利を認めた前代未聞の出来事です。」と述べた。
しかしながら、レッドウッズ長老会弁護士スティーブン・テイバー氏は、長老議会の決断は「納得できる十分な理由がなく、よく考えた上での決断ではなかった」と見なしている。
少数派の意見として、牧師が教会の結婚に対する立場に反して、独自の規定を設けることは論理的であると見成すという考えがあるという。米国長老教会法では現役同性愛の牧師が活動するのを禁止しており、男と女が結ばれることのみ結婚と見なすと定義している。
シュパー牧師は1978年に同性愛者であることが判明し、その後10年以上に亘って、自身を「レズビアン福音主義者」と呼んでいた。また彼女は教会の同性愛の聖職者に対する規定に対しロビー活動をしかける団体"That All May Freely Serve"の理事長を務めているという。