英国国教会はヒト遺伝子特許権を与えることで遺伝的差別を創り出すとして英医療関係者に警告している。
英国国教会ジョン・アッシェ司祭は胎児を診断することで優生学に関する議論を再発させ、胎児の両親に遺伝情報に乱れがあることが明らかになった場合、中絶を選択する権利を与えてしまうと批判している。
アッシェ司祭はヒトの多様性に関わらず神が全ての個人の価値を決定するという信念に基づいて教会が科学的進歩に対して義のために警鐘を鳴らす重大な役割を担っていることを強調した。
アッシェ司祭は、「これは人類にとってきわめて重大な課題です。このような新たな科学に対して教会は対話を通して大きな規制を与えていかなければなりません。」と述べた。
また教会は自然な成り行きで不義、不正を生じさせるような結果に至る事物に対する所有権を許可することに強い反対姿勢を取らなければならないと強調した。
ドーキング教区主教のイアン・ブラックリー牧師は「ヒトの遺伝子は人間らしさのために全ての人間に与えられたものであり、このような神の下さった賜物に人間が特許権を与えるべきではない」と述べたという。
来年の英国国教会総会でより深い議論ができるように神学的、倫理的、法的観点からヒト遺伝子特許権問題について現在英国国教会内で深い議論がなされているという。