15日水曜日に7万人以上の人々がパキスタン最大のムハンマド風刺漫画に対する抗議暴動に加わり、激しい暴力行為が発生した。
AP通信によると映画館、欧米系ファーストフード店、韓国運営バスステーションなどで3日間に亘る暴動が生じ、いたる所で発砲や放火が発生したという。目撃者によると、この暴動でパキスタン2都市において3名が死亡し、数十人が負傷したという。
ペシャワルでは大衆が放火や警官隊との衝突を起こし、警官がこれに対抗して催涙ガスや警棒を用いて制裁したという。
抗議者は「デンマーク国家に死を!」、「侮辱的な漫画を描いた者たちを絞首刑にせよ!」と繰り返し訴えたという。
暴力行動は月曜日にもパキスタン北部の都市において生じた。
22歳のShaukat Khanさんは「欧州紙は私たちの宗教を侮辱しました。私たちは自分たちの怒りを表現しています。抗議デモ参加者は普段もっと平和に抗議しますが、一部の異端者がこのような暴動を起こし、それにつられて人々が加わってしまったのです」と述べたという。
ラホールでは、暴動二日目にはパンジャブ大学の校外で1500人もの学生が加わり警官を殴打、交通障害まで発生したという(AP通信)。
またラホールの初日の抗議暴動では、数百台もの自動車、欧米諸国が経営するファーストフード店、銀行などのビジネス店舗が放火されたという。
世界教会協議会(WCC)サミュエル・コビア総幹事は第9回WCC会議を前にした火曜日の記者会見で、「これらの風刺漫画を表現の自由であると正当化するのに並行し、暴動は激化している」と述べた。
WCCはまだこの暴動に対する公式声明を発表していないが関係者によると、公式声明は第9回WCC会議中に公表される予定であるという。
ヨーロッパ、中東、アジアで、この風刺漫画に対する暴動が発生している。ヨーロッパ及び米国を含む世界各地で再版されたことで、イスラム教社会に憤激を招いた。
ノルウェイオスロで先週、ノルウェイチャーチエイド特別顧問Emeritus Gunnar Stalsett司祭は、「神の御名によって引き起こされる暴動やテロ行為を、宗教指導者はできる限りの対策を尽くして拒否、抑制する責任があることを強く訴えます。信者によって聖なるものと見なされている存在を冒涜するような行為を表現の自由と称するような、非常識な考え方を私たちは批判します。全ての宗教はある特定の象徴があり、聖なる存在に対する信仰の忠誠があります。このような信仰、忠誠心は宗教問わずすべての人によって尊重されるべきものです。預言者ムハンマドを深く中傷する一連の風刺漫画は、世界13億人のイスラム教徒に対して極度に侮辱的な行為です。このためにイスラム教徒も他宗教共同体メンバーに対して深く攻撃的になりました。私たちが共同で欧州イスラム会議を通してイスラム教徒の怒りを沈め、暴力によって抗議デモを激化させないように訴える必要があります」と述べた。