先週末行われたモスクワG8財務相会合でG8財務大臣らは、前回のスコットランドグレニーグルズ会議で設定された世界最貧国の債務帳消し目標に各国がほとんど到達していないとして非難を受けた。
昨年グレニーグルズで開催されて以来、モスクワで初のG8財務相会合が開催された。その達成目標には国際通貨基金(IMF)、世界銀行、アフリカ開発銀行の世界最貧18カ国に対する債務帳消しが含まれている。
しかしながら土曜日に発表された公式声明では、G8はもっぱら国際開発協会(IDA)、アフリカ開発基金(AfDF)に対し途上国援助履行の最終ステップを完了するように促すだけで、最貧国債務緩和に関しては現実的な進展がないままに終わったという。
また英国で最貧国の債務帳消し運動を行うJubilee Debt Campaign(JDC)は、今回のモスクワG8では世界最貧国における債務返済危機に終末を告げるような兆しはほとんど見られなかったと見ている。
JDC共同議長スティーブン・ランド氏は、世界銀行に対して債務危機問題解決のための行動を起こすつもりであると述べ、「この終わりのない問題に、未だ終わりが見える兆しはない」と警告した。ランド氏はまたモスクワG8では、ロシアのエネルギー問題に焦点が置かれたために最貧国債務問題の重要性が見落とされたのではないかと述べた。
クリスチャンエイドなどのキリスト教団体は、G8指導者による公約が現実のものとなるように圧力をかけ続ける姿勢を示している。
先週米国財務次官ティム・アダムス氏は、世界銀行に対して早く行動に移るよう嘆願し、「私たちは世界銀行に対して公約のできるだけ早急な実行を強く促しました」と述べた。
しかしこれらの催促にもかかわらず、モスクワG8ではこの問題に対する進展はほどんどなかったという。