28,29日の土日にかけて何千万人もの人々が太陰暦の正月を祝った。香港の宗教指導者は、すべての市民に対し旧正月を迎えての祝辞を述べ、家族の価値を高め、青年教育を促進することでより安定した社会へと発展することを願った。
香港の6大宗教指導者によって今月初めに出された共同声明によると、宗教指導者達は暴力、離婚、ギャンブルに起因する香港における家庭問題の蔓延に対する懸念を表明したという。特に多くのギャンブラーがギャンブルによる借金とサラ金業者からの責め立てにより、肉体的にも精神的にも大いなる痛みを負っていることで、家庭崩壊につながっているという。香港キリスト教協議会(HKCC)ホームページ上で今月11日に出された声明によると指導者たちは、「私たちは中国の文化伝統に加えられる価値は調和の取れた家族と家族による社会の構築にあると信じています。しかし、私たちは現在の若い世代の中に家族や、自分たちの生活している社会に対する責任感が大きく欠如してきていることを見出しました。」と落胆の意を表していた。
指導者達は自殺や少年が暴力団に加わりいじめやゆすりなどで極端な暴力事件を起こしているという最近の報告に失意の念を示した。
さらに、多くの若者が現代のIT社会においてインターネット上で「不健康なメッセージ」にさらされるようになったことを指摘した。これらの不健康なメッセージによってせっかくされてきた両親や教師による道徳教育の努力が無駄になってしまうという。このような現象は健全な社会に「死を招く沈黙の脅威」をもたらしていると指導者たちは懸念している。昨年を振り返って、宗教指導者たちは香港特別行政区(HKSAR)の新行政長官に曽蔭権(英名ドナルド・ツァン)氏が就任したことで大きな期待を表明した。曽蔭権氏は敬虔なカトリック教徒であることで知られており、「香港人民の生活向上のための強固な統治のために奮闘する」と誓った。
各宗教指導者による声明によると、指導者達は曽蔭権氏の統治に強い希望を抱いているという。
香港においてたくさんの社会的な挑戦すべき問題があるが、指導者達は香港当局に「政府対策最優先事項の一つとしてギャンブルのこれ以上の蔓延を食い止めること」、「学校教育の改善法案を早く制作すること」、「インターネットの不健全な使用に対する対策を立てること」を促した。
結論として、宗教指導者たちはより健全な社会の創出のために香港政府と協力して活動することを約束した。
宗教指導者たちは、「私たち宗教部門では、この旧正月に私たちが奉仕する人々の精神的健康を鼓舞し、また保護することに対する私たちの使命を表明し、また香港特区行政に対し積極的に道徳基準の向上のために親密な共同活動を行うことを約束します」と述べた。
香港キリスト協議会トーマス・ソー牧師、カトリック香港教区の陳日君(ヨセフ・ツェン)主教、中国イスラム文化友愛教会議長のユブ・エト・チェ・イン氏、儒教学会会長湯恩佳博士 、香港道教協会議長トン・ワイ・キ氏、香港仏教協会会長の覺光法師の6大香港宗教指導者が声明に署名した。