先月のイラク総選挙の最終結果において、シーア派が大勝利を収めるという今までと特に変わらない結果となった。
20日金曜日に発表された報告によると、シーア派連合イラク同盟の議席数は2005年1月の投票結果によって128議席にまで減少し、スンニ派が44議席を占めた。
世界中で迫害を受けている教会を支援するキリスト教団体「オープンドア」米国会長カールA.モエラー氏は「イラクの政治システムは現段階では第一に宗派的なものであることから、このような結果は想像のついた事であると考えます。」と今回の結果についてコメントした。
シーア派のみで与党を結成するのには138議席必要であり、今回の場合はシーア派は連立政権を形成する必要がある。
スンニ派は新議会においてより大きな影響力を持つようになったが、不正選挙に対する批判の中、クルド民族は1月投票結果により議席数を75議席から53議席にまで減少することになった。
モエラー氏はクルド同盟議席数の損失に対し、クルド民族はイラク社会においてキリスト教人口を占める最も大きな民族であることを言及し、失意を表明した。
また他にもキリスト教徒の存在性がイラクやイラク周辺国間で薄まったことに対してもモエラー氏は懸念の意を表明した。米海外向け放送局VOAによると、20世紀以来イラクを含む中東諸国においてキリスト教徒の人口は著しく減少しているという。新政府に先んじて修正されたイラク憲法は、大部分の議席数を占めるシーア派集団によってイランのイスラム教の規律の影響をイラクが大きく受ける可能性を創り出しているという。
またモエラー氏によると、このようなイランによる影響力の増大は大きな問題を引き起こすという。
「イラン政府はキリスト教徒を激しく弾圧している。イラクでは人権に対する改善は進んだことから、選挙結果に対する反応として私たちはよりよい成果がイラクで得られるように望んでいる。」と述べた。
またモエラー氏は「改正憲法は恒久的な共和国の規則を反映していない宗教的な憲法ではあるが、キリスト教徒の信仰の自由を認めるすべての宗教的な見解を含んでいる。」としていくらかの希望を語った。
イラク国民2700万人の人口形成は、シーア派60%、スンニ派20%、クルド人15−20%、カルデア人3%である。
キリスト教徒人口はイラクで継続的に減少しており、現在はイラク国内で100万人にも満たない状況であるという。