昨年生じた南アジアの大地震での生存者は厳しい冬の寒さでより困難な状況に陥っている。一方で、キリスト教徒と非政府団体はとりわけ地震の被害が激しかったパキスタン北部及びカシミールにおいて生存者救援活動を続行している。
今月発表されたユナイテッドメソジストニュースサービス(UMNS)の報告書によると、チャーチ・ワールド・サービス(CWS)、アクション・バイ・チャーチ・トゥゲザー(ACT)そしてノルウェー教会援助会(NCA)によって「大雑把に見積もって220万人の人たちが避難用テントで生活しており、その中の数十万人が再び疎外され、厳しい冬の寒さと降り積もる雪に耐えれるだけの食料物資に不足している」と指摘したという。国連によると、40万人もの人々が高地に住んでおり、降り積もる雪や雨の影響により、ヘリコプターやトラックで彼らを救済しに行くのがますます困難になっているという。
また1月20日にCWS,ACT,NCAにより発表された別の報告書によると、プラスチックシート、毛布と共に、83万9997戸の冬用テントが配布され、合計して11万5883件の非難小屋が建てられ、低地にもその他15万8076件もの避難小屋が増設されたという。
UMNS報告書によると、現段階での主な課題は自然発生でできたキャンプに住む生存者たちに支援サービスを施すことであるという。
パキスタン軍隊もまた非難小屋を建設し、厳しい寒さに苦しむ被災者を救済するために、マンセラ、バッタグラム、コイスタン、そしてシャングラ地域と時計回りに救済活動を続行していると言う。
高地の降雪深60cm以上にもなる雪とその下に広がる丘に降り注ぐ大量の雨で、救援活動がより困難になり、ヘリコプターの離着陸が妨げられている。
1月16日、元米大統領ジョージ H.W.ブッシュ氏が国連特別公使として南アジア被災地域にて救援活動をする予定であったが、厳しい悪天候のためにヘリコプターによる移動ができなくなり、元米大統領の救援活動参加は中止せざるを得なくなった。
その替わりに、ブッシュ氏はイスラマバードの避難所で一夜を過ごし、被災生存者の活力を賞賛し、この厳しい冬の季節を通して救援ラインをしっかりと保っておく必要があると強調した。
またこの悪天候のために健康問題も深刻になっていると言う。さらに多くの避難小屋はまだ冬用に変えられおらず、それにもかかわらず、激しく降り積もる降雨によってさらなる閉塞化と土砂崩れの可能性が考えられるという(CWS)。