神を愛する者たち、つまり、御計画に従って召された者たちには、万事が益となるように共に働くということを、わたしたちは知っています。ローマ8:28
すべてをあわせて益としてくださる
3年前に家族を連れて韓国経由でフィリピンに行った。普通では出来ない体験ができると思ったからだ。韓国に滞在している間に娘が突然発熱し、薬局で風邪薬を処方してもらった。フィリピンに行くので少し多めに薬を買ったが、娘は2回薬を服用しただけですっかり元気になった。
フィリピンでは、金鐘必という韓国人宣教師が、マニラから一時間程のところにある小さなごみの山で住むフィリピン人に宣教活動をしていた。大きなごみの山には世界の関心も高いが、各地にある小さなごみの山に住む人々にまでは、関心が行き届かない。人々が道端に小屋を作って住んでは撤去され、最後に行き着いたところがごみの山の上だった。
案内してもらった時、そのニオイに驚いたが、いつの間にか感覚が麻痺して、そのうち殆ど感じなくなった。水道ガス電気はなく、水はお金がある時は購入して飲み、それ以外の時はドラム缶にためた雨水を使う。
母と少年が暮らす家にも訪問したが、その少年は高熱が引かず母親は非常に落胆していた。もちろんお金がないので医者にはかかれない。実は彼女の夫は仕事中に事故で死亡、上の娘はお腹の回虫のために死亡し、彼女にとって少年は残された唯一の家族だった。
ちょうど、娘に処方してもらった薬があったので、それを少年に飲ませたところ、薬を服用したことがないのですぐに効果が浮黷ト熱が下がり、やがて元気になった。娘はこの時、「神さまが私を用いてこの隣人を救って下さった。もしかしたらこの少年は、姿を変えて現れたキリストなのかもしれないと思う」と言い、韓国で風邪を引いたことを神に感謝した。そして、私たちもすべてをあわせて益としてくださる神の業を体験することができたことを神に感謝した。このような神の業を体験し認識することができた非常に貴重な旅であった。
朴寿吉(在日大韓基督教会 総幹事)
ぱく・すきる=1956年韓国ソウル市生まれ。延世大学校卒、
関西学院大学大学院卒、アジア神学大学院卒。神学修士、
牧会学博士。
1984年4月に来日し、在日大韓基督教会の大阪教会、布施教会、
京都教会で牧師として牧会をしながら、2001年10月の第46
回期定期総会で総幹事に選出され、
現在、在日大韓基督教会の総幹事。