世界80か国以上で活動するキャンパス宣教団University Bible Fellowship(大学生聖書読み宣教会、以下UBF)は11日から14日まで、静岡県御殿場市のYMCA東山荘で、夏の全国修養会「2005サマーバイブルキャンプ」を開催した。宣教師56人を含む81人が参加した。第1回日本全国CBF(クリスチャンバイブルフェローシップ)修養会も同日程で開催し、宣教師の子弟を中心に57人が参加した。
UBFにとって夏の修養会は年に一度の全国規模の集会だ。今回は「道であるイエス様」というテーマの下、厳しい社会的、霊的状況や、将来に対する不安の中でも、道であるイエス様に従って歩んでいくことで正しい真理の道を歩んでいけるとのメッセージが伝えられた。
講師として米トレード大経営学部教授でUBF支部長ポール・ホン宣教師を招待した。現在、同大はUBFの中でも模範的な支部のひとつだが、伝道開始から10年以上にわたって実を結ぶことができなかったという。その経験からホン宣教師は「大変なことも多いが、真の道であるイエス様を信じていけば多くの実を結ぶことができる」と証した。
UBF日本支部長の鄭ダニエル宣教師によれば、従来の夏の修養会は聖書に関する初歩的なメッセージが多かったが、今回は特にリーダー(牧者)たちが力づけられる内容だったという。
修養会では、旧約聖書のヨセフとダニエルに関するメッセージもあった。日本宣教は、南米やロシア、東南アジアなど他の宣教地と比べて発展が遅い。だが、ヨセフやダニエルは大きな教会の指導者ではなかった。異国の地にもかかわらず、神に従って歩みんだこと、自分の仕事を忠実に働いたことにより、周囲から証しをされるようになった。
UBFは、スタディ・フルタイム、ワーク・フルタイム、フィード・シープ・フルタイムというビジョンで完全な自立宣教を目指す団体だ。牧者は職場や学校でフルタイムで働き、同時に宣教に励む。ダニエル宣教師は、職場や学校で何の欠点の口実もなく忠実に働き、熱心に伝道し続けるとき、ヨセフやダニエルのような偉大な人材を発見できるはずと確信を語った。
修養会中に洗礼式と聖餐式が行われ、成人3人、子供13人が受洗した。6人の幼児洗礼も行われた。
プログラムの合間には、牧者たちによる会議があり、各地の報告や来年度の計画を練った。
米国からホン宣教師夫妻以外に3人の牧者が、韓国から6人のCBF牧者と3人のUBF牧者が参加した。
日本UBFは現在、18の支部で活動している。日本人の牧者は12人。大阪、宮崎の支部では宣教師の手を借りずに日本人が自立して活動しているという。
2001年の韓国国内での分裂以降、活動は停滞気味だったが、昨年から回復の兆しが見え始めてきた。以前は20人ほどだった東京センターの礼拝参加者数は30人を超える程になった。年内に50人突破を目標としているという。
5年、10年と実を結べなければ落胆しやすいが、問題は時間ではなく信仰だ、とダニエル師。社会の状況、霊的な状況もあるが、なにより自分自身の信仰によって実りが変わってくるものだという。今回の修養会を通して、リーダーたちが信仰を持つようになり、勝利に対する確信が与えられた。日本は、量は少ないが、ダニエルやヨセフのような質の高い人材を育てていけば変わる、と語るダニエル師。現在のリーダーたちが成長し、90年代以降派遣できなかった日本人宣教師を海外に派遣していきたいと語った。