宣教団体「キャンパス・クルセード・フォー・クライスト」(栗原一芳代表、CCC)は、当初今年2月の新学生センター建設開始(東京都三鷹市)を計画していたが、建設費用の集まり具合を考慮して着工を今年6月に延期することが10日、関係者の話で分かった。内部関係者の先月28日の会議で決定した。
献金などで先月24日までに6000万円以上が集まったとされていた資金は、その後の発表で約5500万円(10日現在)だったことが判明した。寄せられた献金は、国際CCC、複数の教会や教団、個人などからで、教会から500万円、個人から50-100万円の大口献金も複数あった(同関係者)。ここにきて、経済的な厳しさにもかかわらず献金した教会や協力者の犠牲の大きさを感じ、感謝に堪えないという。
建設に必要な額は9500万円で、当初の額から200万円増えた。資材に必要な鉄の需要が中国でここ数年急増。現在の鉄の単価はセンター建設計画当初の約2倍になった、とCCC関係者は話す。鉄の使用料を減らすために、CCCはセンター内部の間取りを再検討するという。
内装を見直した結果、当初事務室として使用する予定だったスペースが「交わることが目的である宣教団体としては大きすぎる」(同)ことが判明。関係者は急きょ事務室スペースを縮小し、代わりにフェローシップルームを広く取るよう設計図を描き直した。同関係者は「見直した結果、大切なことを忘れていたことに気づかされた」と証しする。
これまで大口の献金を扱っていたCCCは今後、1万円単位の小口献金を一般層に広く呼びかける。個々人の小さな犠牲が大きな結果を生むことを再発見したかたちだ。必要額残り4000万円のうち国際CCCが半額を「何とかする」としており、日本のクリスチャン55万8000人(04年CIS調べ)に課せられた目標達成まで残すところ2000万円だ。