三浦綾子文学を多くの人に伝えることを通して、聖書の素晴らしさを伝える全国三浦綾子読書会(長谷川与志充代表)が主催する読書会が1月21日、名古屋金山キリスト教会(同盟福音基督教会、小林秀臣牧師)で開かれた。講師の長谷川与志充牧師(東京ミレニアム・チャーチ)が、今読書会の課題図書「難病日記」(三浦綾子著)に描かれている三浦綾子の信仰の姿を紹介した。20代の若者を含む6人が参加した。
「難病日記」は、難病パーキンソン病と闘う中で薬の副作用による幻覚に苛まれながらも、神に祈りをささげ、周囲の人々を思いやり、長編『銃口』の執筆に情熱を注いだ著者三浦綾子の三年間が描かれている。全5章。
長谷川師は、各章ごとから読み取れる三浦綾子像を紹介しながら、彼女が見せた素晴らしい信仰の姿を説いた。
まず第1章「病をも神が命じ給うならば」では、たとえどんな難病であっても、それは神が自分をより愛するがゆえに与える試練であることを受け入れてその導きに従う、『従順』の信仰を説いた。
2章「はらから相睦みて美しき」では、難病との闘いの中でも常に周囲の人々への思いやりを忘れず、どこまでも人々にほどこそうとする『愛』の信仰、3章「主よ御国を来たらせ給え」では、どんなときも希望を失わず、災害、戦争のない平和な世界、天の御国を祈り続けた『祈り』の信仰を説いた。
4章「二本の足で立つことの喜び」では、難病の中でも常に生かされる喜び、また最愛の夫光世に自分がいつも支えられていることへの喜びを常に心に留めた『喜び』の信仰、5章「驚く目をもっていれば」からは、自分がこの世に生を受けたことから始まり、信仰によって新しく生まれ変わったことや、夫光世と出会い結婚できたことなど、自分が体験した一つひとつの出来事に対する感動を、いつでも感性豊かに表現しながら生きた姿から、『感動』する信仰を説いた。
参加した若者は「もし自分が試練を受けたときには、数え切れない闘いの中にあってもこのような素晴らしい生き方ができた彼女の姿を思い出してがんばりたい」などと話し、読書会の中で信仰の勇気が与えられたことを証(あか)しした。
講演を終えて長谷川牧師は、「名古屋読書会のメンバーにはご自身やご家族が病と戦っている方も多く、それだけに同じような境遇の中で人生を歩まれた三浦綾子さんから受ける励ましは非常に大きなものがあるように思う。今後も三浦綾子さんの著作から試練の中でも主の栄光を現す生涯について参加者と共に学んでいきたい」と意欲を語った。
全国三浦綾子読書会では年内に様々な行事が予定されている。3月3〜5日には横浜で第6回全国大会が、6月29日〜7月2日には韓国・ソウルで第1回三浦綾子読書会世界大会、9月15〜18日には北海道・旭川市で第2回世界大会が開催される予定だ。
同会の現在の活動と今後の取り組みについて長谷川師は、「地域や部門によってばらつきはあるものの、読書会全体としてはますます活動が活性化されて来ているように思います。今年は新しい地区(所沢、京都、岡山、徳島等)での読書会スタートや、新しい部門(子供部門、平和部門)の発足、5周年記念となる韓国ソウルでの世界大会などが計画されており、引き続き主の導きの中で読書会活動を展開していきたい」と、国内だけでなく、今や世界へとその輪が広がろうとしている同会の今後への期待を語った。